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「奇岩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇岩の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
銀箔のように輝いているのは湛えられた湖水であろう。 諸所に丘があり、川があり、奇岩怪石が横仆わり、苔が一面に生えている。 寂然として人気なく、人家もなければ....
夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
深紅の花が咲く、と見るまに、ぽとりぽとりと血の滴るように葩が散って仕舞う、或は、奇岩怪石の数奇を凝らした庭園の中を、自分が蜻蛉のようにすいすいと飛んでいる。又は....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
とするのである。 シナの庭園も本来は自然にかたどったものではあろうが、むやみに奇岩怪石を積み並べた貝細工の化け物のようなシナふうの庭は、多くの純日本趣味の日本....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
一枚一枚と、いわゆる海の戯れを駒井の眼前に並べました。 それは今までと違って、奇岩怪礁に当って水の怒るところとは打って変り、岸辺の砂浜に似たところや、板のよう....
源氏物語」より 著者:紫式部
い歌の字が配られているような、澄んだ調子のものがあるかと思うと、また全然変わった奇岩の立った風景に相応した雄健な仮名の書かれてある片もあるというような蘆手であっ....
高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
水は、清冽だが、殆んど音を立てない。 十和田湖の水をおとす奥入瀬の谿谷は、急湍奇岩で人を魅惑するが、ここのささやかな谷川は、それが木の間がくれに隠見するだけに....
植物人間」より 著者:蘭郁二郎
違えてしまったらしいのだ。 南紀の徒歩旅行を思い立って田辺町から会津川を遡り、奇岩怪峰で有名な奇絶峡を見、あれから山を越して清姫の遺跡をたずねたまではよかった....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
れ草を敷いて一同の者は、長閑そうに四辺の風景を見た。眼の下につらなりそびえている奇岩の裾を天龍の流れが、南に向かって流れていて、岩に激して上がる飛沫が岩の間に錦....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
家屋敷財産とは云え、旦那様の来遊ヒンパンな妾宅だから、数寄をこらし、築山には名木奇岩を配し、林泉の妙、古い都の名園や別邸にも劣らぬような見事なもの。お金だって千....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
サクラ湾とはまったくおもむきを異にし、サクラ湾のように一帯の砂地ではなく、無数の奇岩怪石があるいは巨人のごとくあるいはびょうぶのごとくそこここに屹立している、し....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
聞こえた三波川の合流点まで行けば、秩父古生層が赤裸の肌を現わして、渓流に点在する奇岩に、釣り人は眼をみはるであろう。岩と岩の間は瀬となり渓と変わり、流相の変化応....
尾瀬沼の四季」より 著者:平野長蔵
ショウ、サハラン等、他は略す。 植物保護に付一言す。 愛山者は自然の植物動物奇岩昆虫等一切を愛護し、枯樹一本でも取り捨ててはならぬ、枯樹の配合は自然美を調和....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
と、その山の間にはヒマラヤ山の名物のロードデンドロンの花は今やまさに綻びんとし、奇岩怪石左右に欹つその間に小鳥の囀って居る様は実に愉快な光景でありました。一里余....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
宮井から、水路がわかれ、北へ溯行すると、川幅も狭ばみ、流れも急になってくる。奇岩|乱峭といった瀞の絶景が、これでもかこれでもかといわぬばかり、大自然の奇工が....