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「奇形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
かの思案げな皺《しわ》が刻まれてゆき、しだいに呻《うめ》き悩みながら、あの鬼草は奇形化されてしまうのであった。 明らかに、それは一種の病的変化であろう。また、....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
いた。そして複雑な器械類は、いまだかつて実物はおろか写真によっても見たことのない奇形な形をしているものばかりで、何に使うものやらさっぱり分りかねた。 (一体ここ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
みえて、先生はさっそく観察の発表をはじめた。 はじめに尾をさして、いわゆる薦骨奇形の軟尾体だといった。つぎに、全身を覆う密毛がしらべられ、その一本立ての三本く....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
て寂しかった。 近所に家は一軒も無かった。 香具師は次第に大胆になった。例の奇形な建物の方へ、ズンズン足早に進んで行った。 建物の戸口が開いていた。で彼は....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ている。一方鉄拐仙人は、腰に大きな瓢《ひさご》を付け、両足の間に杖を※み、左手で奇形な印を結び、すぼめた口からこれは黒気を、一筋空へ吐き出している。そうして黒気....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
になった為、以前の様に濫費しません。 氏は、取り済した花蝶などより、妙に鈍重な奇形な、昆虫などに興味を持ちます。たとえば、庭の隅から、ちょろちょろと走り出て人....
学生と教養」より 著者:倉田百三
るのが目的だから個性的ということは問題でない。熱鉛を水中に滴下すれば、さまざまの奇形を生ずる。しかし一つ一つの形は自然科学には一顧の価もない。しかし精神科学では....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
とお花は聞耳を立てたが、手に葱を持ったまま、急いでそっちへ行ってみた。 一匹の奇形な動物が、背を蜒らして走り廻っていた。犬のように大きな鼬であったが、口に手箱....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
る。 と、木村常陸介は、にわかに頭を巡らしたが、主殿と並んで立っている、一宇の奇形な建物を見た。その建物と主殿とを繋いで、長い廻廊が出来ていたが、その廻廊に青....
善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
にもクッキリ顔色は……白くはなくて黒いのだ。四尺足らずの小兵ではあり、全体が不具奇形である。 「へへへへ」と笑う声はどんよりと濁って不愉快を極め聞く人をしてゾッ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ったが腹の辺りが太鼓のように膨れ、ムッと前方に差し出されているので、格好がつかず奇形に見えた。曲※に片肘を突いて居り、その手の腕から指にかけて、熊のように毛が生....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
風潮が現代まで残存して日本の少女をいためつけ、いびつにした産物として現われてきた奇形児の如くでもあるが、同時に、それ故にひそかに、まためざましく生育した独特な芸....
ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
ングイヒゲを生やしたりすると一層滑稽になる。 一つ目の味はぬるりとしたちょっと奇形児の如なきみのわるいところにある。一体日本の妖怪の凄さはそういうところにある....
役者の顔」より 著者:木村荘八
人の顔立ちを見ると、その眼と云い、口と云い、断えざる陶冶訓練の為に、地顔は殆ど「奇形」と云わんばかり、世の常ならぬ相貌となっています。これは半ば天性もあるのでし....
西航日録」より 著者:井上円了
にもとづく。余これを訳して、巨人庭石という。天工の巧妙なるに感じて、 天工錬石造奇形、絶妙使吾疑有霊、西俗所伝君勿笑、古来呼称巨人庭。 (自然のたくみは石をねり....