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「奇物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
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神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
の国希有の珍木の大樹あり。托生蘭《たくせいらん》、石松類《なんかくらんるい》等に奇物多し。年代や大いさよりいうも、珍種の分布上より見るも、本邦の誇りとすべきとこ....
不審庵」より 著者:太宰治
道誉等、大小の侯伯を集めて茶の会を開きし事は伝記にも見えたる所なれども、これらは奇物名品をつらね、珍味|佳肴を供し、華美相競うていたずらに奢侈の風を誇りしに過ぎ....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
(伊達騒動、相馬大作、越後騒動) 六、人情、洒落本物(梅ごよみの類) 七、伝奇物(八犬伝、神稲《しんとう》水滸伝) 八、怪談物(四谷怪談、稲生《いのう》武....
十二支考」より 著者:南方熊楠
った。雨を冒して旅すれば馬を害すればとて、その間滞留する内、村の人々各の手作りの奇物を彼に贈ったので、雨候過ぎて出立しようという時見送りに来た村人に、前日くれた....
十二支考」より 著者:南方熊楠
服を汚し傍人を大笑せしめ、爾後その士を見るごとに大得色を現じた由。 猴は極めて奇物を好む。鏡底に自分の影映るを見て他の猴と心得、急にその裏を覗き見る。後、その....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
時代、秀吉を除いて、本当に海外に志のあった豪傑は、まず政宗でしょうかな――近世の奇物、林子平《りんしへい》なんというのも、たしかに政宗の系統を引いている。他の土....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
様に、平明開発はあるけれども蝦蟇《がま》も棲《す》まないし狐兎も遊ばなくなった。奇物変物もすっかり影をひそめてしまった。では富の程度でも幾分か増進したかと問えば....
十二支考」より 著者:南方熊楠
に金色に作り立てたかも知れぬ。『譚海』一一に徳川将軍の世にオランダ人が持ち渡った奇物の内、五色鼠は白鼠を染めたる物なりといい、『香祖筆記』七に、鳥獣毛羽の奇なる....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はどう見ても警察が考え出したことである。アン・ラードクリフ(訳者注 イギリスの怪奇物語作者)と政府とがいっしょになったものである。)――オーブリー・ル・ブーシェ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
もとめて旅立つ武者修行者よろしくのていで、駈けだした。ところで、わたしは当然、伝奇物語の真精神に従って、ここでこの主人公とその乗馬の風采いでたちについて少々述べ....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
に取り扱い、もって一身の独立をなすものなり。さて独立といえば、ひとり世の中の偏人奇物にて世間の付合いもなき者のように聞こゆれども、けっして然らず。人として世に居....
迷信解」より 著者:井上円了
ておきたいと思う。 尋常の『修身書』に出ておる、武士が瓢箪を切りたる話は、『珍奇物語』と題する書中に出ておる。また、祈祷者が神酒徳利に鰍をいれたる話は、『閑際....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
で、奇名が忽ち都下に喧伝した。当時朝から晩まで代る代るに訪ずれるのは類は友の変物奇物ばかりで、共に画を描き骨董を品して遊んでばかりいた。大河内子爵の先代や下岡蓮....
『黒影集』の序詞」より 著者:田中貢太郎
奇物語に興味を有する私は、折にふれて支那の随筆小説を読んだ。読むと云っても、もと....
小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
ずき》なる親が、子供に漢書を読ませ、四書五経を勉強する間に浮世の事を忘れて、変人奇物の評判を成し、生涯、身を持て余したる者は、はなはだ少なからず。ひっきょう、技....