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奇異
「奇異〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇異の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私にはとても目あてがないが、知る日の来らんことを欲求して満足しよう。 私がこの
奇異な世界に生れ出たことについては、そしてこの世界の中にあって今日まで生命を続け....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
かけて、犬のようにまろびながら、悔恨の涙にむせび泣く若いフランシスを見た。彼女は
奇異の思いをしながらそれを眺めていた。春の月は朧ろに霞んでこの光景を初めからしま....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
送することの可能なある力――すなわち、輻射圧――の存在を予言しているのはいささか
奇異の感じがある。それから三年後にバルトリ(Bartoli)は、ただに熱線や光線....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
守の五重を浸して見よ、とそれ、生捉って来てな、ここへ打上げたその獅子頭だ。以来、
奇異|妖変さながら魔所のように沙汰する天守、まさかとは思うたが、目のあたり不思議....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
る仙禽よ。卿は熱帯の鬱林に放たれずして、山地の碧潭に謫されたのである。……トこの
奇異なる珍客を迎うるか、不可思議の獲ものに競うか、静なる池の面に、眠れる魚のごと....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
かけて仁王立、大音に、 「通るぞう。」 と一喝した。 「はっ、」 と云うと、
奇異なのは、宵に宰八が一杯――汲んで来て、――縁の端近に置いた手桶が、ひょい、と....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
かり美わしきを、蝦蟇法師は左瞻右視、或は手を掉り、足を爪立て、操人形が動くが如き
奇異なる身振をしたりとせよ、何思いけむ踵を返し、更に迂回して柴折戸のある方に行き....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
爺さんが一所に行こうという。銑吉とても、ただ怯かしばかりでもなさそうな、秘密と、
奇異と、第一、人気のまるでないその祠に、入口に懸った薙刀を思うと、掛釘が錆朽ちて....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
念、ここぞと熾に燃立ちて、ほとんど我を制するあたわず。そがなすままに委しおけば、
奇異なる幻影|眼前にちらつき、※と火花の散るごとく、良人の膚を犯すごとに、太く絶....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
の風もないのである。 十 その中に最も人間に近く、頼母しく、且つ
奇異に感じられたのは、唐櫃の上に、一個八角時計の、仰向けに乗っていた事であった。....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
が、柳の下を潜るが疾いか、溝を超えて、店へ駆け上ると奥へ入った。 後を追って、
奇異なる断々の声を叫びながら駆け出した蔵人を、ばらばらと追詰める連中の、ある者は....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、気さくな中に、寂しさが含まれる、あわれも、情も籠って聞こえた。 此方も古塚の
奇異に対して、瞑想黙思した男には相応わない。 「実は――お前さんを待っていたよ。....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
人の賢愚、時代によりて同じからざるによる。古代の愚民は、万物おのおのその霊ありて
奇異の作用を現ずるなりと信じ、あるいは一身重我といいて、一身に二様の我ありて、そ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
得三|等、誰そやと見廻す座敷の中に、我々と人形の外には人に肖たらむ者も無し。三人
奇異の思いをなすうち、誰が手を触れしということ無きに人形の被すらりと脱け落ちて、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
余は元来無器用にして、写真術を知らず、スケッチはできず、余儀なく耳目に触れたる
奇異の現象は、言文一致的三十一文字、または二十八言等にて写しおきたれば、本書中に....