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「奇病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
黒松重五郎という五十男で稀しい松果状結節癩。もう一人は、これがアディソン病という奇病で、副腎の変化から皮膚が鮮かな青銅色になるものでしたが、この方は東海林徹三と....
」より 著者:海野十三
ラリアに似ているといえば、おお、あいつだ」と帆村はサッと蒼ざめた。「いま大流行の奇病の病原菌もマラリアに似ているというじゃないですか。最初はマラリアだと思ったの....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
だ痛むのである。その物は腹中に在って人のごとくに語ることもあった。勿論、こういう奇病であるから、療治の効もなく、病いがいよいよ重くなったときに、一人の白衣を着た....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
どのように弓馬の武芸に達していても、この水を見るとおそろしくぶるぶる震えるという奇病があって、しかもこれは親から子へ遺伝するものだそうで。」 若殿は笑って、 ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
る。眉を釣り上げ眼をいからせ唇を左右に痙攣させ、憤怒の形相を現わしている様子が、奇病|人面疽さながらである。ヒ、ヒ、ヒという笑い声はその口から来るのであった。 ....
○○獣」より 著者:海野十三
れからまた、硬いコンクリートや鉄の柱がはげしい音をたてて消えてゆくビルディングの奇病は、その後どうなったんであろうか。 敬二少年は、思いがけなく十円紙幣が懐中....
星女郎」より 著者:泉鏡花
玉になって、下腹から鳩尾へ突上げるので、うむと云って歯を喰切って、のけぞるという奇病にかかった。 はじめの内は、一日に、一度二度ぐらいずつで留ったのが、次第に....
追憶の医師達」より 著者:寺田寅彦
上白米を何合ずつ焚いて喰わせろと云った。その処方通りにしたら数日にしてこの厄介な奇病もけろりと全快した、というのである。この患者は生れてその日までまだ米の飯とい....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の言葉で夢遊病と申すそうな。寝たまに起きていろいろのことをおやりになる。そういう奇病がござるために牢にお入れ申したものじゃ。東京のお居間も同じことでござろう。日....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ったからであろう! 途方に暮れられたからであろう! ごもっとも様でご同情します!奇病奇病! 何んとも云えない奇病に、取りつかれておいでなされるからだ。……そ....
妖蛸」より 著者:田中貢太郎
常に喜んで、出産の日を待っていたが、米の妊娠は真箇の妊娠でなくて、病名も判らない奇病であった。 そして、米の腹は日に日に大きくなって往った。主人は入費を惜まな....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
のは勿論である。 もっとも、彼は部下の余興を見なければ、酒が咽へ通らないという奇病を持っていたから、その鯨のような飲酒欲を満足させるためには、兵隊たちは常に自....
血友病」より 著者:小酒井不木
は、その血がいつまでもとまらずに、身体の中にあるだけ出てしまって死んで行くという奇病をもって居るので御座います。私の知っております限りでは、祖父も父も叔父も皆同....
三国志」より 著者:吉川英治
活に馴れないものばかりでしょう。それをあのようになすっておいては、この※統同様、奇病にかかって、身心ともにつかれ果て、いざ合戦の際にも、その全能力をふるい出すこ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ほどに寵をうけた。 ところが高時にはまま“おん物狂い”と人もいう得たいのしれぬ奇病がある。 そのため先年、病後の床あげを機に、薙髪して入道となった。同日、佐....