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奇絶
「奇絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奇絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
君どうだい、あの浜の景色は……」と大きな声を出して野だを呼んだ。なあるほどこりゃ
奇絶《きぜつ》ですね。時間があると写生するんだが、惜《お》しいですね、このままに....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
ン夫人の手に落札せられしもの」「斯界第一人者江馬兆策先生翻案脚色」「凄絶、怪絶、
奇絶、快絶、妖美無上」「九月七日午後五時開場六時開演」「特等(指定)十円」「普通....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
で四〇―五〇ミリメートル。されば自分の身長よりも短い間でかく宙返りをやらかすは、
奇絶だとだけ述べ置く。むつかしい研究故詳しくは言えない。 『淵鑑類函』四三六に、....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
いぬ。要するに吾人が腰掛けて憩うが如く、乞食僧にありては、杖が鼻の椅子なりけり。
奇絶なる鼻の持主は、乞丐の徒には相違なきも、強ち人の憐愍を乞わず、かつて米銭の恵....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
というやつかい。」 「やっぱり、まだしも、ふ憫だ。――(いや、ますます降るわえ、
奇絶々々。)と寒さにふるえながら牛骨が虚飾をいうと(妙。)――と歯を喰切って、骨....
「日月様」より 著者:坂口安吾
、決して女性的ではなく、むしろズングリと節くれた彼氏を知る私にとって、この出現が
奇絶怪絶、度胆をぬかれる性質のものであったことは、同情していたゞかなければならな....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
て行くのだ。すると、唯でさえチンマリとしたお筆の身体が、一際小さく見えて、はては
奇絶な盆石か、無細工な木の根人形としか思われなくなってしまうのだった。 然し、....
「植物人間」より 著者:蘭郁二郎
しいのだ。 南紀の徒歩旅行を思い立って田辺町から会津川を遡り、奇岩怪峰で有名な
奇絶峡を見、あれから山を越して清姫の遺跡をたずねたまではよかったのだけれど、それ....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
別種の鬼気が立ち罩めるのだった。近ごろは、ちんまりした祖母がいっそう小さくなり、
奇絶な盆石が、無細工な木の根人形としか思われなくなったのが、白髪を硫黄の海のよう....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
落しなかった。 いろいろの噂が伝わった。鎮江は揚子江の咽喉で、地勢は雄勝で且つ
奇絶、頗る天険に富んでいる。そこへ清軍の精鋭が集まり、死守しているのでさすがの英....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、一臂の力を添えられんことを求めしかば、件の滑稽翁|兼たり好事家、手足を舞わして
奇絶妙と称し、両膚脱ぎて向う鉢巻、用意は好きぞやらかせと、斉く人形室の前に至れば....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
る。ここに停船すること午前二時に至る。船客、一人の寝に就くものなし。その雄壮かつ
奇絶なる光景を望みて余念なく、あるいは歌いあるいはうそぶき、ほとんど徹夜の快遊を....