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「奇薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
を出し、本邦現存最古の医書|丹波《たんば》康頼の『医心方』から引き陳《つら》ねた奇薬の名の内に、馬乳、白馬茎、狐と狗の陰茎あり。四十年ほど前予が本草学を修めた頃....
十二支考」より 著者:南方熊楠
と俗称し、韃靼《だったん》の植物羔《ヴェジテーブル・ラム》とて昔欧州で珍重された奇薬で、地中に羊児自然と生じおり、狼好んでこれを食うに傷つけば血を出すなど言った....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
平家を呪わずにいるのが耐えられぬ苦痛。それに又一方に於て、洞斎老人から伝授された奇薬を遣っての秘法をば、実地に行って見たくてならなかった。 霧隠れ雲隠れの秘薬....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
を削って耳掻きに一杯飲むと、身体自ら熱温を生じ性気昂進して、琴瑟相和するところの奇薬であるという。 抱肝も恐ろしいものの一つだ。抱肝は河豚の肺臓であって、肩胛....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
いう。これまた、奇怪といわざるべからず。第五に、その声、よく他人の疾病に特効ある奇薬を指示す。実に奇怪千万というべし。これを要するに、以上の事実によりて考うるに....
巷の声」より 著者:永井荷風
があった。浅井忠の板下を描いた当世風俗五十番歌合というものに、「風ひきめまいの大奇薬、オッチニイ」とその売声《うりごえ》が註にしてある。此書は明治四十年の出版で....