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「奇計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇計の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
腕を拱《こまぬ》いて考え込んでいる姿が目に映ったので、退屈男は急に何か素晴らしい奇計をでも思いついたもののごとく、にんめり微笑をもらすと、その武者窓下にぴたり身....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
も遠掛けのように、ねじ鉢巻でも致して参れよッ」 命じて去ろうとすると、いかなる奇計を用いようというのか、退屈男の口辺に再びのぼったのは不気味な微笑です。――そ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らみ、そのうちのいずれに秘密の細工をしてあるか労せずしてそれを看破しようと、かく奇計をめぐらしてその思うつぼに相手をおとしいれた右門は、早くもそれと知るや、例の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
左手の河を渡って、松本勢の陣地を側面から攻撃しうるような山の上の位置に出た。この奇計は松本方ばかりでなく諏訪方の不意をもついた。日はすでに山に入って松本勢も戦い....
地球要塞」より 著者:海野十三
完全マスクを被っていたのだ」 私は、万事を悟って、苦笑した。なんだ、つまらない奇計《トリック》である。 大佐は、白人女の死顔を、じっと眺めていたが、 「はて....
怪塔王」より 著者:海野十三
あと三十分がんばれ! エンジンのこの調子ではその三十分が、うまくもつかしら。奇計 1 あと三十分がんばれ! 怪塔ロケットを追う青江機の上で、偵....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
私たちはさらさら人のうらみを買うようなことをした覚えはないし、またわざわざこんな奇計を弄してまで、私たちに戦いを挑む人も理由も、見わたすところありそうに思えない....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
ちを、北洋に置去りして、そのまに横浜へ往くのか。こいつは妙案だ」 僕は、陳君の奇計に、おもわず手を拍いた。が、考えてみると、この奇計も、やっぱり、少年だけの智....
学者安心論」より 著者:福沢諭吉
の不都合あるべきのみ。この不都合をもかえりみず、この失望にも懲《こ》りず、なおも奇計妙策をめぐらして、名は三千余方の兄弟にはかるといい、その内実の極意は、暗に政....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
代目河竹新七が巡査の保護、士族の乳貰、按摩の白浪、天狗の生酔、娼妓の貞節、楠公の奇計という六題を五幕の世話狂言に脚色したもので、その正本は――その頃は脚本とはい....
活人形」より 著者:泉鏡花
下枝が死を宣告され、仇敵の手には死なじとて、歎き悶ゆる風情を見て、咄嗟に一の奇計を得たり。 走りて三たび雑具部屋に帰り、得右衛門の耳に囁きて、その計略を告....
女の怪異」より 著者:田中貢太郎
店の二階を借りていた男が、女の怪異を見て発狂したと云う話をしたので、菊江は褐腐の奇計を話して笑った。....
三国志」より 著者:吉川英治
よそ二条しかありません。一は、夾石道、二は桂車の路です。しかもその二路とも嶮隘で奇計を伏せて打つには絶好なところですから、もしお許しを得るならばそれがしと全※と....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
り得ないはずだ。宗盛以下、平家が油断しぬいていたのは、まったく、後白河の施された奇計にまんまと懸ったためである。歴代、いろいろなお方もあってふしぎはないが、策謀....