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「奇貨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇貨の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無惨」より 著者:黒岩涙香
も手掛りの無いのを是まで見破ぶるとは、成る程築地には支那人が日本の法権の及ばぬを奇貨として其様な失敬な事を仕て居るかナア、実に卓眼には恐れ入た」谷間田は笑壷に入....
続黄梁」より 著者:田中貢太郎
を恣にし、擅に威福を作す。死すべきの罪、髪を擢きて数えがたし。朝廷の名器、居きて奇貨をなし、肥瘠を量欠して、価の重軽をなす。因って公卿将士、尽く門下に奔走す。估....
魚玄機」より 著者:森鴎外
のはなかった。 唐の代には道教が盛であった。それは道士等が王室の李姓であるのを奇貨として、老子を先祖だと言い做し、老君に仕うること宗廟に仕うるが如くならしめた....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
、生れ故郷の博多に錦を? 飾り、漁類問屋をやっている中に、日露戦争にぶっつかり、奇貨おくべしというので大倉喜八郎の牛缶に傚って、軍需品としての魚の缶詰製造を思い....
十二支考」より 著者:南方熊楠
た》つ間に、多くは死んで百疋も残らず、これこの国人馬を養う方を知らず、外商これを奇貨とし、馬医この国に入るを禁ずるによると。これら外商はインドへ馬を輸《おく》っ....
心臓盗難」より 著者:海野十三
の野郎なら知っていますよ。どうもいやな野郎だと思っていたが、僕が入院しているのを奇貨として、あの娘をくどいているんですか。けしからん奴だ、あの野郎――月尾寒三と....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
、一朝平和にその局を結びしを以て、その脳裏に徹底する所の感情は大いに儂らのために奇貨《きか》なるなからん乎《か》、この期失うべからずと、即ち新たに策を立て、決死....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
見当らなかった。 そこで、丹造は直営店の乾某がかつて呼吸器を痛めた経験があるを奇貨とし、主恩で縛りあげて、無理矢理に出鱈目の感謝状と写真を徴発した。これが大正....
瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
弐心《ふたごころ》を抱《いだ》かざるも味方に利するところあれば、その時にはこれを奇貨《きか》として私《ひそか》にその人を厚遇《こうぐう》すれども、干戈《かんか》....
申訳」より 著者:永井荷風
である。平生之を怠っていながら、一旦同書が現代文学全集中に転載せらるると見るや、奇貨居くべしとなし、俄に版権侵害の賠償を請求するが如きは貪戻《どんれい》言語に絶....
三国志」より 著者:吉川英治
した。そこへ、馬岱と※徳が追いついてきて、 「城中の梁寛、趙衢のふたりが、留守を奇貨として、反旗をかかげ、夏侯淵に内応したものと思われます。ここにいてはご一身も....
私本太平記」より 著者:吉川英治
子すらなかった。――そのうちに正中ノ変。ひきつづいて、皇太子邦良が世を去られた。奇貨措くべし、とはそのさいの御心中ではなかったか。 後醍醐は、わが第二皇子の世....
私本太平記」より 著者:吉川英治
足弱な女性をどう連れてここを落ちのびられようか。 おそらくは、能登ノ介が留守を奇貨とし、その隙にという僥倖も計算に入れている一味の者の策であろうが、果たしてそ....