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「奇跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奇跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
う播種時《たねまきどき》が来た。山火事で焼けた熊笹《くまざさ》の葉が真黒にこげて奇跡の護符のように何所《どこ》からともなく降って来る播種時が来た。畑の上は急に活....
青木の出京」より 著者:菊池寛
地上に取り残されていて、ただ青木だけが、杉本教授と同じ空間まで昇っていったような奇跡的な感銘を、雄吉たちに与えずにはいなかった。ことにその頃は、ロマンチックで、....
勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
償おうと彼は思ったのである。 ワルシャワからコヴノに退却するまでに起った露軍の奇跡は、勇士イワノウィッチの五つの勲功である。 その頃の、ルスコエロー紙は、彼....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
あった。彼は、いつの間にか、岩壁の二分の一を穿っていた。 里人は、この恐ろしき奇跡を見ると、もはや市九郎の仕事を、少しも疑わなかった。彼らは、前二回の懈怠《け....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
が軍中に収むるとは、何という光栄であろうと、忠直卿は思った。 忠直卿は家臣らの奇跡のような働きを思うと、それがすべて自分の力、自分の意志の反映であるように思わ....
高野聖」より 著者:泉鏡花
こどころの沙汰《さた》ではない、一生懸命《いっしょうけんめい》、景色《けしき》も奇跡《きせき》もあるものかい、お天気さえ晴れたか曇ったか訳が解らず、目《ま》じろ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
らヘルナー山頂には確かにそうした事実が厳然として存在しているのだから。その三は、奇跡説ないしは怪談説である。つまり、“超自然現象”とするものである。これは余論も....
深夜の市長」より 著者:海野十三
て下せえよ。円タクは古いほど、よく走るもんだてえことを……」 車のお蔭で、僕は奇跡的に役所の門に着くことができた。運転手に一両渡したが、かのオジサンは六十銭を....
獏鸚」より 著者:海野十三
彼は次のような文字を、紙の上にすらすらと書いた。 100429急追せられたるも、奇跡的幸運により、 暗号文は本日完全に獏鸚せり。 玲子 巨億の財宝や暁団や江....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
を責めることはできませぬぞ」 そういわれたとき、フローラは、眼前にこの世ならぬ奇跡が現われたのを知った。 眼が薄闇に馴れるにつれて彼女の眼は、ある一点に落ち....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、拾い上げて来たのみであった。 そうなってみると、出血の失踪は、実に驚嘆すべき奇跡となり、早くも法水の顔には、ただならぬ困惑の色が現われた。 したがって奈落....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
為す者がある。世人は大抵その説のみを信じて、その時のチベットの現状は耶蘇教よりも奇跡などが以上にあったという事のためにその報告書が焼かれたということを知らない。....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ど若き春にも紛う美しさに照り映えて見えるのだった。お側に控えたあの騎士が、かかる奇跡をつくり上げたのであり――いまわしい年月の長い歴史を、瞬間の無為に微笑みとと....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
く君のためにこれを説明せん。しかしてその説明は、ただ『バイブル』中に説くところの奇跡・怪談を反復するのみ。よって政教子曰く、君の説明は『バイブル』の講釈にして、....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
ろをふき、 「かんたんなことなんだ。きみだって説明をきけば、なーんだ、と思うよ。奇跡がおこったのでも、なんでもないさ」 「きみには、かんたんかもしれないが、ほか....