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奈翁
「奈翁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奈翁の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
今はエスキモーさながらに毛皮にくるまっている。 氷原と吹雪、氷河と峻嶮の登攀。
奈翁のアルプス越えもかくやと思われるような、荷を吊りあげ、またおのぶサンを引きあ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
かしたり、諒闇の黒布を瞬く間に全天に覆うたり、摩天の白銅塔を見る間に築き上げては
奈翁の雄図よりも早く微塵に打崩したり、日々眼を新にする雲の幻術天象の変化を、出て....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
宝石が美人の寿命を吸い減らしたり、魔の踏切が汽車を脅やかしたりするはまだしも、大
奈翁の幽霊がアメロンゲン城の壁を撫でて、老カイゼルに嘆息して聞かせたり、ツタンカ....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
黒眼勝ちの眼と、鼻筋の間と、子供のように小さな紅い唇の切れ込みとのどこかに、大|
奈翁の肖像画に見るような一種利かぬ気な、注意深い性質が現われているようであるが、....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
子 (卓子に腰を掛く)たいそう気の利いた書物ですね。 博士 これは、仏国の大帝|
奈翁が、西暦千八百八年、西班牙遠征の途に上りました時、かねて世界有数の読書家。必....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ただの燕ではなかった。もとを洗えば、不良仲間での智慧袋であり、参謀頭でもあった。
奈翁の云い草ではないが、彼の覘ったもので、ついぞ彼の手に入らなかったものなんか一....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
を贈りて好《よ》き返事をと促すもあり、また「君|徐世賓《じょせいひん》たらばわれ
奈翁《ナポレオン》たらん」などと遠廻しに諷《ふう》するもありて、諸役人皆|妾《し....
「霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
わしたか。救われずして地獄の九圏の中に阿鼻叫喚しているはずの、たとえば歴山大王や
奈翁一世のごとき人間がかえって人生究竟の地を示したか。これは未決問題である。宗教....
「平民道」より 著者:新渡戸稲造
史を見てもオクタヴィアスの時代にはその政体の名実が符合しない感がある。また近きは
奈翁《ナポレオン》三世の時代の仏蘭西《フランス》も果して共和国であったか帝国であ....