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奉公
「奉公〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奉公の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
平吉の口から出た話によると、彼は十一の年に南伝馬町《みなみでんまちょう》の紙屋へ
奉公に行った。するとそこの旦那《だんな》は大の法華《ほっけ》気違いで、三度の飯も....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
若殿様とは、ほぼ御年輩《ごねんぱい》も同じくらいな若者でございましたが、これを御
奉公の初めにして、その後《のち》も度々|難有《ありがた》い御懇意を受けたのでござ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
た」の字病院へ半之丞の体を売ったのは。しかし体を売ったと云っても、何も昔風に一生
奉公《いっしょうぼうこう》の約束をした訣《わけ》ではありません。ただ何年かたって....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
皆さん。
私《わたし》は今大阪にいます、ですから大阪の話をしましょう。
昔、大阪の町へ
奉公《ほうこう》に来た男がありました。名は何と云ったかわかりません。ただ飯炊
奉公....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
「それからわずかの知るべを便りに、汽車にも乗らず横浜へ行くと、夫はある運送屋へ
奉公をし、女はある糸屋の下女になって、二年ばかり二人とも一生懸命に働いたそうです....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
事を云った。
「先達《せんだって》、佐渡殿も云われた通り、この病体では、とても御
奉公は覚束《おぼつか》ないようじゃ。ついては、身共もいっそ隠居しようかと思う。」....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
お敏が来た。そうして是非一度若旦那に御目にかかって、委細の話をしたいのだが、以前
奉公していた御店へ、電話もまさかかけられないから、あなたに言伝《ことづ》てを頼み....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ない。
それがウルスラ上人と一万一千の童貞《どうてい》少女《しょうじょ》が、「
奉公の死」を遂げた話や、パトリック上人の浄罪界《じょうざいかい》の話を経て、次第....
「或る女」より 著者:有島武郎
、
「横浜?……横浜にはもう用はないわい。いつ首になるか知れないおれがこの上の御
奉公をしてたまるか。これもみんなお前のお陰だぞ。業《ごう》つくばりめ」
といっ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
は子供に付添って笠井の娘が坐っていた。その娘は二、三年前から函館に出て松川の家に
奉公していたのだ。父に似て細面《ほそおもて》の彼女は函館の生活に磨きをかけられて....
「星座」より 著者:有島武郎
いから尋常小学だけで学校生活をやめたのはまずいいとしても、妹のおせいに小樽で女中
奉公をさせておかねばならぬというのは、清逸の胸には烈しくこたえていた。清逸が会社....
「親子」より 著者:有島武郎
ようとしたが、彼に対してさえ不快を感じたらしく、監督の方に向いて、 「六年間|只
奉公してあげくの果てに痛くもない腹を探られたのは全くお初つだよ。私も今夜という今....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
た。私は思わず息を呑んだ。そうして刹那に一切を了解した。小娘は、恐らくはこれから
奉公先へ赴こうとしている小娘は、その懐に蔵していた幾顆の蜜柑を窓から投げて、わざ....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
っかり貧乏になり、たくさんなお金を払わねばならなかったので母は今一度お金持の家に
奉公してお金をもうけ一家が暮せるようにしたいがためでありました。 このあわれな....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
方また王立協会へ帰って来た。 ファラデーの真身の父は、ファラデーがリボーの所に
奉公している中に死んだが、母はファラデーと別居していて、息子の仕送りで暮し、時々....