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奉加
「奉加〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奉加の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
で躍っている。朧夜《おぼろよ》にそそのかされて、鉦《かね》も撞木《しゅもく》も、
奉加帳《ほうがちょう》も打ちすてて、誘《さそ》い合《あわ》せるや否やこの山寺《や....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
着たる身の今日は緋色を飾るも、また黄金の力たり。堂塔の新築改造には、勧進、奉化、
奉加とて、浄財の寄進を俗界に求むれども、実は強請に異ならず。その堂内に通夜する輩....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
寺へ一人の珍客がやって来ました。 それは武州高尾山の半ぺん坊主が、やけに大きな
奉加帳《ほうがちょう》を腰にブラ下げて、この寺に乗込んで来たことで、 「こういう....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
らあ、これで、男の一分が立ったから、おさらばってことにして――一つ、仲間の奴へ、
奉加帳を廻してさ、二三十集まったら、何か、こう小商売《こあきない》でもやらかそう....
「予言」より 著者:久生十蘭
附や仲町あたりで待伏せするようなのも三人や五人ではなく、貧乏な安部のために進んで
奉加につきたいのも大勢いたが、酒田忠敬の二女の知世《ちよ》子が最後までねばりとお....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
気さくなところがあり、自分の思った通りのことを精一杯に振舞う。 これも顎十郎の
奉加につく一人で、このほうは叔父ほど手数がかからない。黙って坐ると、かならずいく....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
だとある。それを「東大寺造立供養記」には、 東は毛人の域に勧進して夷類等随分の
奉加あり。是れ一の不思議なり。爰に奥州の猛者藤原秀平真人、殊に慇懃の志を抽で、専....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
は寺院の祭日はなはだ多く、各地の本山へ巡礼巡拝するの風、また大いに行わる。布施、
奉加、献納金等のこと、みなわが国の風習に異なることなし。日曜には寺時の間(すなわ....
「法然行伝」より 著者:中里介山
はじめて置く。これにみんな供料、供米、修理の足をつけて置いた。これとても全く勧進
奉加《かんじんほうが》をしないで諸人の供養物をなげうってこう云うことをしたのであ....
「醤油仏」より 著者:吉川英治
するから、そんな目に遭やがるんだ。ざま見やがれ」 と、笑って、兄弟分のために、
奉加帳を廻した。 それで、当座の煙草銭が出来たので、三公はすっかり元気が恢復し....