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「奉天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奉天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
ょう》じ、差し当りの用談をすませることにした。縞《しま》の背広を着たK君はもとは奉天《ほうてん》の特派員、――今は本社詰めの新聞記者だった。 「どうです? 暇な....
将軍」より 著者:芥川竜之介
私《わたくし》が歩哨《ほしょう》に立っていたのは、この村の土塀《どべい》の北端、奉天《ほうてん》に通ずる街道《かいどう》であります。その支那人は二人とも、奉天の....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
い。ただまるまる肥《ふと》った頬《ほお》にいつも微笑《びしょう》を浮かべている。奉天《ほうてん》から北京《ペキン》へ来る途中、寝台車の南京虫《なんきんむし》に螫....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の頃から棒を習った。それまではまだ好いのであるが、それから更に進んで兵となって、奉天歩隊に編入された。所詮、両親も兄も許す筈はないから、彼は無断で実家を飛び出し....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
こでもうまく行かない。そういう連中が、ここへ這入りこんでいた。 彼等は、大連、奉天、青島、天津などを荒しまわっていた。常にニヤ/\している、顔にどっか生殖器の....
前哨」より 著者:黒島伝治
は、※昂鉄道の沿線から、約一里半距った支那部落に屯していた。十一月の初めである。奉天を出発した時は、まだ、満洲の平原に青い草が見えていた。それが今は、何一ツ残ら....
防備隊」より 著者:黒島伝治
こらッ! 通行票を出せッ!」 日本人の威張り方は傍若無人だ。この春、三月、君は奉天に来たね。奉天城内の四平街と云えば目抜きの場所だ。君覚えているだろう? 平生....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
一流の大詩人で、沈※期、宋之門と名を争い、初唐の詩壇の花形であった。 父の閑は奉天の令で、公平の人物として名高かった。 杜甫は随分傲慢であった。弱い癖に豪傑....
雪女」より 著者:岡本綺堂
来て、彼が満洲で遭遇した雪女の不思議な話を聞かせてくれた。 この出来事の舞台は奉天に近い芹菜堡子とかいう所だそうである。わたしもかつて満洲の土地を踏んだことが....
停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
河原へ行かないかと誘って下すったのでございます。継子さんのお兄さんは陸軍中尉で、奉天の戦いで負傷して、しばらく野戦病院にはいっていたのですが、それから内地へ後送....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
試験でも受けているような具合に――歌う様子が僕達には珍しかった。 その後僕達は奉天へも行った。湯崗子温泉で一泊もした。 満鉄本社の試写室で、満鉄写真班が撮影....
支那の思出」より 著者:国枝史郎
私が支那へ行ったのは満洲事変の始まった年の、まだ始まらない頃であった。 上海、南京、蘇州、杭州、青島、旅順、大連、奉天と見て廻った。約一ヶ月を費した。 汽船は秩父丸であった。船がウースン河へ這....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
(立上りて、不審そうに。)お前さんはどこの人だな。 第一の男 わたしは旅の者で、奉天の方から大連の町へ来たのですが、……何分初めてのことですから、土地の方角はわ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
再び牛肉の行商を始めながら化物屋敷で野良犬と二人(?)きりで同居したこともある。奉天の掘立小屋に住んで亜炭を売り、鉄嶺では金がなくてとうふばかり食っていた。大工....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
任参謀などは列席の光栄に浴し得なかった。満鉄の理事などにも同席は不可能なことで、奉天の兵営問題で当時の満鉄の地方課長から散々に油をしぼられた経験は、今日もなお記....