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奏
「奏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ぐ》やカンヴァスも仕入《しい》れるつもりだった。フロイライン・メルレンドルフの演
奏会へも顔を出すつもりだった。けれども六十何銭かの前には東京|行《ゆき》それ自身....
「河童」より 著者:芥川竜之介
にも哲学者のマッグといっしょになり、一番前の席にすわっていました。するとセロの独
奏が終わった後《のち》、妙に目の細い河童が一匹、無造作《むぞうさ》に譜本を抱《か....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
音楽の聞かれる設備になっていた。その夜《よ》もグラノフォンは僕等の話にほとんど伴
奏を絶ったことはなかった。
「ちょっとあの給仕に通訳してくれ給え。――誰でも五銭....
「路上」より 著者:芥川竜之介
を機会《しお》にして、切符と引換えに受取ったプログラムを拡げながら、話題を今夜演
奏される音楽の方面へ持って行った。が、大井はこの方面には全然無感覚に出来上ってい....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
うして王氏は喜びのあまり、張氏の孫を上座に招じて、家姫《かき》を出したり、音楽を
奏したり、盛な饗宴《きょうえん》を催したあげく、千金を寿《じゅ》にしたとかいうこ....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
頗《すこぶ》る巧言令色を弄《ろう》した。が、生憎《あいにく》その勧誘は一度も効を
奏さなかった。それは僕が養家の父母を、――殊に伯母を愛していたからだった。
僕....
「或る女」より 著者:有島武郎
立った。そしてしいられるままに、ケーベル博士からののしられたヴァイオリンの一手も
奏《かな》でたりした。木部の全霊はただ一目《ひとめ》でこの美しい才気のみなぎりあ....
「聖書」より 著者:生田春月
ッティを見ていた。この頗る冥想的な場面に女中さんの紅くふくれた頬が例の階段上の弾
奏を先き触れにして現れた、と思うと、いきなりぷっと噴き出した。 「おや、どうした....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
黒ペンキの半分剥げた吃水を嘗めて、ちゃぶりちゃぶりとやるのが、何かエジプト人でも
奏で相な、階律の単調な音楽を聞く様だと思って居ると、 睡いのか。 とヤコフ・イ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
身者が外套のハネを落す刷毛を買っていた。ラジオがこの人混みの中で、静かな小夜曲を
奏していた。若い女中が奥さんの眼をかすめて、そっと高砂の式台の定価札をひっくり返....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
子を上げさせたり、頬をはち切れそうにして笛を吹かせたりして、無暗に賑やかな音楽を
奏させなければならないのか、なぜそうさせたほうが好いのか、自分たちにもわからなか....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たかは自分には少しも判りませぬ。が、不思議なことに、そうして居る間、現世の人達が
奏上する祝詞が手に取るようにはっきりと耳に響いて来るのでございます。その後何回斯....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
、興来って新古の壱巻をも繙けば、河鹿笛もならし、朝鮮太鼓も打つ、時にはウクレルを
奏しては土人の尻振りダンスを想って原始なヂャバ土人の生活に楽しみ、時にはオクライ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
翡翠の蓮の花を、十人は瑪瑙の牡丹の花を、いずれも髪に飾りながら、笛や琴を節面白く
奏しているという景色なのです。 しかしいくら大金持でも、御金には際限があります....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
やがて、広間から音楽のひびきがきこえてきて、ひとびとをダンスに呼びあつめた。演
奏するのは年配の白髪頭の黒人で、もう五十年以上もこの界隈で巡回音楽師をしていた。....