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奏楽
「奏楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奏楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
拍手を背にして彼女がひっこむと、客席はまた元の明るさにかえって、ジャズが軽快な間
奏楽を奏しはじめた。警官隊はホッとした。 「きょうは貴下の御親友である名探偵青竜....
「海底大陸」より 著者:海野十三
務大臣ランタは、王さまのきげんがかわらぬうちに、門の方へかけだしていった。やがて
奏楽の音が聞こえると、いよいよ王子ロロー殿下がこの広場へはいってきた。 クーパ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たびに、それまで自動的に捲かれた弾条が弛み、同時に内部の廻転琴が鳴り出して、その
奏楽が終ると、今度は二人の童子人形が、交互に撞木を振り上げては鐘を叩き、定められ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
夫は、ある店に、小さな娘の人形が、オルゴールのはいった小箱のうえで、オルゴールの
奏楽とともにおもしろくおどる玩具を、一つ買った。かれはオルゴール音楽がたいへん好....
「海底都市」より 著者:海野十三
風景である。急に富士山麓《ふじさんろく》へ来たような気持ちになる。あまり高くない
奏楽《そうがく》が聞こえていて、気持はいよいよしずかになる。そこで二分間ばかり待....
「金属人間」より 著者:海野十三
けばしいどんちょうやら大看板《おおかんばん》、それに昔のジンタを拡大したような吹
奏楽団《すいそうがくだん》が、のべつまくなしに、ぶかぶかどんどん。 この大宣伝....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
鳴りでなければ、エンジンの唸りを……」 「なんだか聞えましたね。でも、わたくしは
奏楽だと思いました」 カズ子は眉をあげて帆村の顔を見上げた。 「
奏楽ですって…....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
雨乞に参ずるのに、杯をめぐらすという故実は聞かぬが、しかし事実である。 伶人の
奏楽一順して、ヒュウと簫の音の虚空に響く時、柳の葉にちらちらと緋の袴がかかった。....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
もちろん舞台の額縁は、オペラ風のただ広いものとなった。また、その下には、隠伏
奏楽所さえ設けられて、観客席も、列柱に囲まれた地紙形の桟敷になってしまった。これ....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
シャツの下からにきにきと湧いた。前面の小高い拝殿の上には楽隊がいて、必要に応じて
奏楽をした。注意して見ると、楽隊のメンバーにはアフレコ・ダビングでかねてなじみの....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
せしことあり。当夕は船客中に一芸を有するものを選び、唱歌に巧みなるものは唱歌し、
奏楽に長ずるものは
奏楽し、あらかじめその順序を定め、逐次にその芸を演ぜしむ。あた....
「西航日録」より 著者:井上円了
温泉なきも、海岸遊歩場の地下に壮大なる人工的浴泳場および温泉場を設け、その傍らに
奏楽場ありて、ときどき音楽を奏するがごときは、到底熱海にありて夢想しあたわざると....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
涼を覚ゆ。副領事杉村恒造氏とともに電車に駕して市内を巡見し、公園に佇立して楽隊の
奏楽を聞く。当日はイースターの大祭日なれば、園内の群集一方ならず、その人数、万余....
「しんぱくの話」より 著者:小川未明
いわつばめでなくて、人間の美しい男女らでした。きくのはあらしの唄でなく、ピアノの
奏楽でした。この息詰まる空気の中で、木は、刻々に自分の生命の枯れてゆくのを感じな....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
で居りましたが、その顔色は気味が悪いほど蒼白くなっていました。 軈て婚約を祝う
奏楽につれて、コップになみなみと酒が注がれました。私は同時にマルセーユと天津、ブ....