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奔放
「奔放〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奔放の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
おどしい同性の恋をささげながら、葉子に inspire されて、われ知らず大胆な
奔放な振る舞いをするようになった。そのころ「国民文学」や「文学界」に旗挙《はたあ....
「或る女」より 著者:有島武郎
れは察する事ができる。愛子はきっと涙ながらに葉子と倉地との間にこのごろ募って行く
奔放な放埒《ほうらつ》な醜行を訴えたに違いない。葉子の愛子と貞世とに対する偏頗《....
「競馬」より 著者:織田作之助
と破れかぶれの情痴《じょうち》めいた日々を送っていたが、一代ももともと夜の時間を
奔放《ほんぽう》に送って来た女であった。肩《かた》や胸の歯形を愉《たの》しむよう....
「家霊」より 著者:岡本かの子
あることも、東京の山の手であることもしばらく忘れて店の者は、快い危機と常規のある
奔放の感触に心を奪われる。あらためて老人の顔を見る。だが老人の真摯《しんし》な話....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
水層はいよいよ高く、四ツ目より太平町に至る十五間幅の道路は、深さ五尺に近く、濁流
奔放舟をもって渡るも困難を感ずるくらいである。高架線の上に立って、逃げ捨てたわが....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
松の並木の陰に姿を消してしまった。―― 「なんという出鱈目な女だろう!」 僕は
奔放な彼女の性格に愕きながらも、大きい鯉を釣針から逃がしたような気がしないではな....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
した羽毛の扇がピクピクと宙を喘いだ。――そこで曲目は断層をしたかのように変化し、
奔放にして妖艶かぎりなき吸血鬼の踊りとなる――この舞台のうちで、一番怪奇であって....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
にも記憶しない。 しかしたぶん、それらの本の中には、恐らくは幼稚なしかし自由で
奔放な、ロマンティズムが流れていたのではなかったかと思う。 そんな読書の影響で....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
訳はいろいろの体裁で翻刻され、各国語に訳された。さらにまたフィツジェラルドのこの
奔放な韻文訳以外にも、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、イタリイ語等への直接....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
とは思わないか」 というのだ。乃公は反対した。夢は自由である。登場人物など自由
奔放に変り得るものだと言ってやった。 すると彼はまた訊ねるのだった。 「お前が....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
仄かではあるけれど、西班牙との密貿易の嫌疑が記されているように、雄志禁じ難い不覊
奔放の性格は、琉球列島の南|毛多加良島の南々東に、ささやかな一珊瑚礁を発見した。....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
のではなかろうか? と思えるのであった。定まった約束の下に駒を進めるよりも、自由
奔放に、自分の思ったところへ駒を飛ばし、王が取られようが、味方の軍が全滅しようが....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
お大尽や成金やお大名の座敷の床の間を飾るには不向きであるが、悪紙悪墨の中に燦めく
奔放無礙の稀有の健腕が金屏風や錦襴表装のピカピカ光った画を睥睨威圧するは、丁度|....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
の照り輝ける中に門生が誠意を籠めて捧げた百日紅樹下に淋しく立てる墓標は池辺三山の
奔放|淋漓たる筆蹟にて墨黒々と麗わしく二葉亭四迷之墓と勒せられた。 三山は墓標....
「新童話論」より 著者:小川未明
し、自治せしむるところにあるのであります。 以上を要約するに、現実に立脚した、
奔放|不覊なる、美的空想を盛り、若しくは、不可思議な郷土的な物語は、これを新興童....