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奔馳
「奔馳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奔馳の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
しんえん》という事、『類聚名物考』に、『慈恩伝』に〈情は猿の逸躁を制し、意は馬の
奔馳《ほんち》を繋《つな》ぐ〉、とあるに基づき、中国人の創作なるように筆しあれど....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ひょろものの作者ごときは、外套を着た蟻のようで、電車と自動車が大昆虫のごとく跳梁
奔馳する。瓦礫、烟塵、混濁の巷に面した、その中へ、小春の陽炎とともに、貸本屋の店....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
も精神が興奮した。 だが私は私の病気を、祝福したいような時もあった。「空想」が
奔馳して来るからであった。本来私という人間は、空想的の人間であった。空想には不自....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
り》を正した。 天下の安危、静かなること林のごときあいだにも機をねらって東西に
奔馳《ほんち》しつつある同志の誓言、これらのことが守人の頭脳《あたま》にひらめく....
「三国志」より 著者:吉川英治
。 赤兎は稀代の名馬で、一日よく千里を走るといわれ、馬体は真っ赤で、風をついて
奔馳する時は、その鬣が炎の流るるように見え、将軍の赤兎といえば、知らない者はない....
「三国志」より 著者:吉川英治
関興、張苞の二人に各※兵二万をさずけ、遊軍として、諸方の攻め口に万一のある場合、
奔馳して救うべしといいつけてありますから、どうか御心を安められますように」 と....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
直義。その一張本は、目前にいる!」と、さけんだ。彼がこんな阿修羅となって乱軍中を
奔馳したなどは初めてのことである。元来、正成は打物取ッての武勇の質ではなく、阿修....
「鬼」より 著者:吉川英治
地からながめても、その広い天賦の平地も、まるで人間の静脈のように大小無数の河水が
奔馳していて、人力の痕跡らしいものは殆ど見えないのである。 それからの彼は一人....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
造りの町に、砂糖やメリケン粉を積んだ幌馬車の馬が、鳴る鞭の下に、黄色い埃をあげて
奔馳してゆく。 「あぶねえっ。気をつけろ、巡査のくせに」 砂糖馬車の馬丁にどな....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
扇をもって、常に三軍を指揮していたという諸葛孔明は、四輪車という物に乗って戦場を
奔馳していたそうですが」 「孔明か、なるほど。しかし孔明の四輪車よりは、このほう....