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奢
「奢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ろう。父の教えた所によれば、古い一冊の玉篇の外に漢和辞典を買うことさえ、やはり「
奢侈文弱《しゃしぶんじゃく》」だった! のみならず信輔自身も亦|嘘《うそ》に嘘を....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
包みを見ると、更に悪意のある表情をした。それは又実際|文化竈《ぶんかかまど》や華
奢《きゃしゃ》な皿小鉢と調和しない悪臭を放っているのに違いなかった。お芳はお松を....
「母」より 著者:芥川竜之介
。が、一瞬の無言の後《のち》、鳥籠《とりかご》の文鳥を見るが早いか、嬉しそうに華
奢《きゃしゃ》な両手を拍った。
「ああ、好《い》い事を思いついた! あの文鳥を放....
「春」より 著者:芥川竜之介
にも、彼女の夢中になりさ加減は家族中の予想を超越《ちょうえつ》していた。彼女は華
奢《きゃしゃ》な画の具箱を小脇《こわき》に、篤介と同じ研究所へ毎日せっせと通《か....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
終絶やした事はない。書物も和書の本箱のほかに、洋書の書棚も並べてある。おまけに華
奢《きゃしゃ》な机の側には、三味線《しゃみせん》も時々は出してあるんだ。その上そ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
外へ泳いで行って、そこから急に消えてしまった。
それが見えなくなると、今度は華
奢《きゃしゃ》な女の足が突然空へ現れた。纏足《てんそく》をした足だから、細さは漸....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
ながら、
「ざっと二十万円くらいはありそうだね。」
「いや、もっとありそうだ。華
奢《きゃしゃ》なテエブルだった日には、つぶれてしまうくらいあるじゃないか。」
「....
「葱」より 著者:芥川竜之介
《あざやか》な瓦斯《ガス》の光を浴びた青物の中へ足を入れた。しかもついにはその華
奢《きゃしゃ》な指を伸べて、一束四銭の札が立っている葱の山を指さすと、「さすらい....
「女」より 著者:芥川竜之介
々《しろじろ》と、真夏の日の光を照り返していた。
蜘蛛は巣が出来上ると、その華
奢《きゃしゃ》な嚢の底に、無数の卵を産み落した。それからまた嚢の口へ、厚い糸の敷....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
拵《こしら》えたり、「青ペン」のお松《まつ》と「お」の字町へ行ったり、たちまち豪
奢《ごうしゃ》を極《きわ》め出しました。「青ペン」と言うのは亜鉛《とたん》屋根に....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
至《ないし》風評さえ、長所の一つに数えられるのである。しかもあのクレオパトラは豪
奢《ごうしゃ》と神秘とに充《み》ち満《み》ちたエジプトの最後の女王ではないか? ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ていても、人がらの悪い人ではありません。いや、むしろその蒼白《あおじろ》い顔や華
奢《きゃしゃ》な手の恰好なぞに、貴族らしい品格が見えるような人物なのです。翁はこ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ではない。全く「心の病」である――彼はそこで、放肆《ほうし》を諫《いさ》めたり、
奢侈《しゃし》を諫めたりするのと同じように、敢然として、修理の神経衰弱を諫めよう....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
子の始末をしようと云う方角もなく、涙ぐんだ涼しい眼に、じっと天井を仰ぎながら、華
奢《きゃしゃ》な両手を胸へ組んで、頻《しきり》に何か祈念でも凝らしているように見....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
発行所へ出かけることにした。僕はその電車の中にどこか支那の少女に近い、如何にも華
奢な女学生が一人坐っていたことを覚えている。 僕等は発行所へはいる前にあの空罎....