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奥の手
「奥の手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥の手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
車《わんしゃ》に満載してやって来た。聴けば、杉田先生はお年寄役だけに、三十六計の
奥の手も余り穏かならじとあって、単身踏み留《とど》まり、なんとかかんとか胡魔化《....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
隙に、長駆、大航空母艦の上に、五百キロ爆弾のウンコを落とす」 「うわーッ、千手の
奥の手が始まった。もう判った。やめィ」 「おい千手。それが本当なら、念のために、....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
岡本などが、一個の弱い生物でしかなかったように。そこで、彼はまた、翻然と、狡猾な
奥の手を出した。彼は、柿本から、五六歩身を引くと、 「さア、整列! 整列! 皆な....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
で行けば、いかな犯人でも尻尾を押えられるに極っている。 「おい、支倉」 根岸は
奥の手を出した。 「上海へ売飛ばしたとだけでは分らないじゃないか。一旦立派に白状....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
硝子壜をですかい」 そのとき卓子の下から濛々と煙がふきだした。 「ほら、博士の
奥の手が始まった。早く引きあげないと、またこの前のようにひどい目に遭う、気をつけ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
何、そうではない。度胸も信仰も有るのではありません、がすべてこういう場合に処する
奥の手が私にある。それは、何です、剣術の先生は足が顫えて立縮んだが、座頭の坊は琵....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
とはかかる非常の処理に対して日本歴史のあみだした独創的な作品であり、方策であり、
奥の手であり、軍部はこの
奥の手を本能的に知っており、我々国民又この
奥の手を本能的....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
りはからう。そのアゲクが柳眉を逆立てられることになったら、そこは又そこで、窮余の
奥の手にすがるのである。私自身がオッチョコチョイの窮地へ落ちこむことによって、お....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
トランクをぶらさげて、やつれながらも、鼻息荒く姿を消した。 これぞ才蔵、極意の
奥の手。雲隠れの術とは、ハゲ頭の連中、気がつかなかった。 マニ教の拷問折檻、話....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
泊りがけで調査にでむいていて、留守であった。 この男がつかまったのは、いつもの
奥の手をちょッと出し惜んだせいだったそうだ。ドテラの温泉客のフリを忘れて、洋服の....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
問題ですから。軍は秘密兵器を完成しています。敵が図にのって、総攻撃に来たときに、
奥の手を用いて一挙に勝利へみちびく。これが軍の既定の作戦なんです」 亮作は口に....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
て、そう言ったわ」 「憎い奴メが。サジ加減が狂っても、その一言で申訳が立つという
奥の手だ。はてさて調法千万な。羨ましい
奥の手があったもの」 良伯はカラカラと高....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
依頼したりした。 翌七年、またテイヨから文書が来ると、家康はいよいよ親和外交の
奥の手を発揮し「容額を拝せず、辞語を聴かざるも、交情は四海一家の思いをなせり」な....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。
神聖なる火でお前を焼こうか。
三たび燃え立つ火を
待つなよ。
己の術の一番の
奥の手を
待つなよ。
(霧落つると共に、メフィストフェレス旅の書生の装して煖炉....
「道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
を解し、心の楽しみとする者は少ない。そこで鈍感な者には、腹を減らせばよかろうと、
奥の手で得心させる。これなら間違いはない。 だが、そう言ってしまっては話になら....