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奥の間
「奥の間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥の間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
いえない淫《みだ》りがましいいやなことをいう人だと思った。
おせいは取りあえず
奥の間に行って、講談物か何かを読み耽《ふけ》っているらしい奥様の前に手をついた。....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
きする。沈黙した三人はしばらく恨めしき池を見やって立ってた。空は曇って風も無い。
奥の間でお通夜してくれる人たちの話し声が細々と漏れる。 「いつまで見ていても同じ....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
らず椎の木だ。それがまた煤《すす》やら垢《あか》やらで何の木か見別けがつかぬ位、
奥の間の最も煙に遠いとこでも、天井板がまるで油炭で塗った様に、板の木目《もくめ》....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
れもむしょうに昂奮した口調で、こんなことを応酬したのち、女房は返事も口の中でして
奥の間へ飛び込んだ。押入から蒲団を曳きずり出すと、力一杯それを抱えて釜場の方へ引....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
夫の名を呼んだだけだった。 「おお、お妻、一緒に、奥へ来な」 長造は、スタスタ
奥の間へ入っていった。 店の前の、警戒管制で暗くなった路面を、一隊の青年団員が....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
こに婦人靴が見当らないということはどういうことを意味するのだろう。と考えたとき、
奥の間で何だか女の啜り泣くような声が一と声|二た声したような気がした。ハッとして....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
。午前三時だ。ここ山塞も、丑満時を越えた真夜中である。では、誰であろうか。黄竜の
奥の間で、ひっそりと物音をさせているのは? それこそ机博士であった。 博士た....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
む」 烏啼は、手を合わせて心友を拝んだ。 お志万は二十二 烏啼の本塞の
奥の間で、夕飯の膳が出ていた。烏啼天駆と、問題の義弟の的矢貫一と、そしてかねて烏....
「怪塔王」より 著者:海野十三
とにされていました。大抵の場合は、博士邸の玄関にそなえつけてある電話機でもって、
奥の間にある博士と電話で用事を話しあって、用を果すのが普通でありました。その電話....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
たえた。 「おう、奥から、クイクイの神をよべ」 酋長ミンチがこの命令をすると、
奥の間から、あやしい返事の声がきこえて、やがて垂幕をわけ、しずしずとあらわれたの....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
、商工業の中心地帯だ。そこで、こんな配置が出来ているというわけさ」 そのとき、
奥の間から老僕が、腰に吊るした手拭をブラブラさせながら、部屋へ飛びこんできた。 ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
調を整えて門のなかへ入ってくるだろう。そして玄関脇の押し釦を少年の指先が押すと、
奥の間のベルが喧しくジジーンと鳴るであろう。梅野十伍はそのベルの音を聞いた瞬間に....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
る。――お蔦|行く。―― ………………………… ※はれて逢われぬ恋仲に、人に心を
奥の間より、しらせ嬉しく三千歳が、 このうたいっぱいに、お蔦急ぎあしに引返す。 ....
「薬」より 著者:井上紅梅
来て、彼にお茶を出した。 「小栓、こっちへおいで」 と華大媽は倅を喚び込んだ。
奥の間のまんなかには細長い腰掛が一つ置いてあった。小栓はそこへ来て腰を掛けると母....
「暗号数字」より 著者:海野十三
連こそ恐るべき人物だったのだ。生命に別条のなかったのは何よりだった。帆村は交番の
奥の間に寝かされた。 栗山刑事が、帆村にかわって公会堂へ行ってくれた。そして彼....