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奥州
「奥州〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥州の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
、諸善ばかりも行わねば、諸悪ばかりも行わぬらしい。もっともこれは岩殿には限らぬ。
奥州名取郡《おうしゅうなとりのこおり》笠島《かさじま》の道祖《さえ》は、都の加茂....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
だだ。(濁れる笑)いや、さすがは姫路お天守の、富姫御前の禿たち、変化心備わって、
奥州第一の赭面に、びくともせぬは我折れ申す。――さて、更めて内方へ、ものも、案内....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
は遅い。小さな梨、粒林檎、栗は生のまま……うでたのは、甘藷とともに店が違う。……
奥州辺とは事かわって、加越のあの辺に朱実はほとんどない。ここに林のごとく売るもの....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
る。屋根の下の観光は、瑞巌寺の大将、しかも眇に睨まれたくらいのもので、何のために
奥州へ出向いたのか分らない。日も、懐中も、切詰めた都合があるから、三日めの朝、旅....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、間もなく知れよう。 一体、孫八が名だそうだ、この爺さんは、つい今しがた、この
奥州、関屋の在、旧――街道わきの古寺、西明寺の、見る影もなく荒涼んだ乱塔場で偶然....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
かれ出した。しょぼしょぼの若旦那。 さて、お妻が、流れも流れ、お落ちも落ちた、
奥州青森の裏借屋に、五もくの師匠をしていて、二十も年下の、炭屋だか、炭焼だかの息....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ないことを。」 客は引緊った口許に微笑した。 「しかし、土地にも因るだろうが、
奥州の原か、飛騨の山で見た日には、気絶をしないじゃ済むまいけれど、伊勢というだけ....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
もあった。また行燈に入れるものに「ひょうそく」というものを用いた。それから今でも
奥州方面の山間へ行くとある「でっち」というものが使われた。それは松脂の蝋で練り固....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
と伝統の伴うものが多い。換言すれば人間生活と不離の関係を有するものである。例えば
奥州の三春駒は田村麻呂将軍が
奥州征伐の時、清水寺の僧|円珍が小さい駒を刻みて与え....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
山伏か、隠者か、と思う風采で、ものの鷹揚な、悪く言えば傲慢な、下手が画に描いた、
奥州めぐりの水戸の黄門といった、鼻の隆い、髯の白い、早や七十ばかりの老人でした。....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の花のように見えた。 「私は巡礼…… もうこの間から、とりあえず仙台まででも、
奥州を巡礼してゆきたい気がするんです。まったくですわ。そういったら、内の女中ッた....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
と出で来らむとする概あり。 古来有名なる、岩代国会津の朱の盤、かの老媼茶話に、
奥州会津|諏訪の宮に朱の盤という恐しき化物ありける。或暮年の頃廿五六なる若侍一|....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
流れを汲むものが、奥の細道を辿るのは、エルサレムの宮殿、近代の学者たちの洋行で、
奥州めぐりを済まさないと、一人前の宗匠とは言われない。加賀近国では、よし、それま....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
しむくいし事 下谷辺にて浪人居宅|化霊ありし事 三州岡崎宿にて旅人|狒々に逢う事
奥州にて旅人山に入り琴の音を尋ねる事 題を見ただけでも、唐から渡りものの飜案で....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
南海、西国まで蔓延し、東は房、総、常、野、武、信の諸州にも伝播し、当年に至りては
奥州に漸入するを見る。ひとり北陸地方に、いまだその流行するを聞かざるなり。これに....