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奥座敷
「奥座敷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥座敷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
れて、何となし世間と隔てられてしまった。それでわれ知らず日蔭者のように、七、八日
奥座敷を出ずにいる。家の人たちも省作の心は判然とはわからないが、もう働いたらよか....
「振動魔」より 著者:海野十三
んが、まアお掛けなさい。一寸着物を着ますから……」 そう云って僕は、着物のある
奥座敷の方へ、とび込もうとすると、 「いや、動くと、一発。横ッ腹へ、お見舞い申し....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
声に裹まれていた一座は、急に沈黙の群像のように黙りこくって仕舞った。 下田家の
奥座敷には、先刻とはまるで異った空気が流れこんだように思われた。誰もそれを口に出....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
、成る程「貼菓子」らしい品物を並べた大きな硝子戸棚があって、その戸棚の向うには、
奥座敷へ続くらしい障子|扉が少しばかり明け放してあるんですが、その隙間から、多分....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
う一度、泣いてお膝に縋っても、是非もしようもないのでしょうか。 早瀬 実は柏家の
奥座敷で、胸に匕首を刺されるような、御意見を被った。小芳さんも、蒼くなって涙を流....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
大きな女郎屋じゃったのが、旅籠屋になったがな、部屋々々も昔風そのままな家じゃに、
奥座敷の欄干の外が、海と一所の、大い揖斐の川口じゃ。白帆の船も通りますわ。鱸は刎....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
陰を見附けた心持でありますから。 「こっちへ。」と婢女が、先に立って導きました。
奥座敷上段の広間、京間の十畳で、本床附、畳は滑るほど新らしく、襖天井は輝くばかり....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
るのであるが、久しぶりのこの都の客と、対談が発奮んで、晩酌の量を過したので、もう
奥座敷で、ごろりと横の、そのまま夢になりそうな様子だった折から、細君もただそれだ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
七 信州柏原の本陣、古間内の表屋敷上段の間には、松平越後守光長が入り、
奥座敷上段の間には、御後室高田殿が入られたのであった。 老女笹尾を筆頭としてお....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
と真中へよれよれの袖口を、そっとのばして、坐ると、どうも、そっちが上席らしい、
奥座敷の方へお洲美さん。負けてはいないな、妹よ、何だか胸が熱くなる。紺の袴は、入....
「山吹」より 著者:泉鏡花
で遊ばす時の、先生のお言葉は、一つとして聞き洩らした事はないくらいでございます。
奥座敷にお見えの時は、天井の上に俯向けになって聞きます。裏座敷においでの時は、小....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
が呼び出しをかけたその梅岡薬剤|兄哥と二人で、休んだ縁もあったんでがすから、その
奥座敷へ内証で抱え込んだ折でした。 愛吉に、訳を尋ねると、奴人間の色はねえ。据....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
かし、電話を掛け棄てにして、八郎とともに行くべき処へ去ったのである。 一柳亭の
奥座敷で、雪代がしめやかに話した。 「……ほんとうにこまった人ですの。申訳はあり....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
んだ。が、誰一人出迎えなかった。洋子は玄関のベルを押した。取り次ぎは出て来ない。
奥座敷の方に灯は見えるが、家の中は妙にしいんとしていて、まるで人気がないようだ。....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
憤慨しています」 司法主任は直ちに竹村春枝を召喚した。 「薬剤師がどういう理で
奥座敷の話を立聞きしていたのか?」 「立聞きしていたのではございません。博士のお....