奥手[語句情報] »
奥手
「奥手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥手の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
くらいだった。 その前年の不作は町方一同の貯えに響いて来ている。田にある稲穂も
奥手の分はおおかた実らない。凶作の評判は早くも村民の間に立ち始めた。 「天明七年....
「昔の火事」より 著者:宮本百合子
じっかあるものだから、どうも個人として腕いっぱいの仕事がしにくい。役員の過半が、
奥手へ土地をもっている連中なのが、やはり暗黙に邪魔しているとも思える。遠慮して素....
「夜の靴」より 著者:横光利一
らないんですか。」と私は訊ねた。 「今年は三週間も遅れている。稲が乾かぬのじゃ。
奥手はこれからだのう。」 少し日の目を見ると架の稲を一枚ずつ裏返して干している....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
。 伊東の駅にちかいところは人家が密集して、もう発展の余地がない。未来の繁栄は
奥手の発展にかかっている。奥へ行くほど泉質もよかった。 今は人煙まれなドンヅマ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ッと光った。下座がてらされている。新しい光源はアベコベに客席にあった。 下座の
奥手に、何かポーズしているらしい女の素足がてらされている。膝から下しか見えない。....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
家。 舞台右手には、その家の一部。土間と居間がある。すべて竹で意匠せられている。
奥手は一面、無限と思われるほど、深邃なる孟宗竹林、その中を通って、左の方へ小路が....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
草呑みても、物足らず、一杯を傾けて、山霊に謝す。ああこれ山か。山ならば神※鬼斧の
奥手を尽したる也。昨日層雲峡に入りて、鬼神の楼閣かと思いしも、今日より見れば、ま....