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奥方
「奥方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奥方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
墓参、お妙は学校のひけが遅かった。 二十六 仮にその日、先生なり
奥方なりに逢ったところで、縁談の事に就いて、とこう謂うつもりでなく、また言われる....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
まするそうで……」 境はゾッとしながら、かえって炬燵を傍へ払った。 「どなたの
奥方とも存ぜずに、いつとなくそう申すのでございまして……旦那。――お艶様に申しま....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
女様へ、お心入れの土産がこれに。申すは、差出がましゅうござるなれど、これは格別、
奥方様の思召しにかないましょう。…何と、姫君。(色を伺う。) 亀姫 ああ、お開き....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
悪いとも言おうがままだ。俺はただ屋の棟で、例の夕飯を稼いでいたのだ。処で艶麗な、
奥方とか、それ、人間界で言うものが、虹の目だ、虹の目だ、と云うものを(嘴を指す)....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
、どかどかどかと階子段を踏立てて、かかる夜陰を憚らぬ、音が静寂間に湧上った。 「
奥方は寝床で、お待ちで。それで、お出迎えがないといった寸法でげしょう。」 と下....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ら思入って、感激した。 はかない恋の思出がある。 もう疾に、余所の歴きとした
奥方だが、その私より年上の娘さんの頃、秋の山遊びをかねた茸狩に連立った。男、女た....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
を吐いたが、小山も驚いたのである。 赤羽|停車場の婆さんの挙動と金貨を頂かせた
奥方の所為とは不言不語の内に線を引いてそれがお米の身に結ばれるというような事でも....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
たる折から、ここの行燈とかしこのランプと、ただもう取交えるばかりの処。 「ええ、
奥方様、あなた様にお客にござりまして。」 優しい声で、 「私に、」と品よく応じ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
振事があって、一件ものをうでるんだが、波の上へ薄りと煙が靡くと、富士を真正面に、
奥方もちっと参る。が、落日に対して真に気高い、蓬莱の島にでも居るような心持のする....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
本文をお読みになれば判る通り、この女性こそは相州三浦新井城主の嫡男荒次郎義光の
奥方として相当世に知られている人なのであります。その頃三浦一|族は小田原の北條氏....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
呼びかねつつ注意する。 「いいえ。」 婀娜な夫人が言った。 「ええ、滅相な……
奥方様、唯今ではござりません。その当時の事で。……上方のお客が宵寐が覚めて、退屈....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
らよさそうなもんだのに。」 と、口を出しました。 「それはとても及びませぬ事で、
奥方様。」 と、母親は答えました。 「あれは全くのところ、きりょう好しではござい....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
は心得ましてござります。なお念のために伺いますが、それでは、むかし御殿のお姫様、
奥方のお姿でござりますな。」 「草双紙の絵ですよ。本があると都合がいいな。」 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
譬えようのない異変な声だぜ、その饒舌る時の歯ぐきの工合な、先生様の嫌な目つきよ、
奥方のこの足のうらまでちゃんと探鑿が届いて、五千疋で退治に来たんだ、さあ、尋常に....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
……またある武士が、夜半に前へ立つ、怪い女を、抜打ちに斬りつけると、それが自分の
奥方の、夢から抜出した魂だったりしたんですって……可厭な処…… ――河童は今で....