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「奥書院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奥書院の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の者達に、ピカリピカリと傷の威嚇を送りつつ、悠揚として案内させていったところは、奥書院の主計頭が居室でした。 「誰じゃ。何者じゃ。どたどたと騒がしゅう振舞って何....
十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
主|丹羽長国は、置物のようにじっと脇息に両肱をもたせかけて、わざと灯りを消させた奥書院のほの白い闇の中に、もう半刻近くも端座し乍ら、身じろぎもせずに黙然とふりそ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に五寸からの雪を見ることは、余等が千歳村の民になってからはじめてゞある。 余は奥書院の戸をあけた。西南を一目に見晴らす此処の座敷は、今雪の田園を額縁なしの画に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
遠慮なのです。 そこで、明王に特別謁見の間を、お角さんは、次の間というよりも、奥書院の廊下に立って待受けておりました。そこに立っていると、またも本庭の余水の蜿....
雪の宿り」より 著者:神西清
うにお見受け致しました。わたくしが桃花坊へ上りました後々も、一慶さまや瑞仙さまが奥書院に通られて、太閤殿と何やら高声で論判をされるのが、表の方までもよく響いて参....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
た。 六 天城屋敷の池田出羽の許へ早馬で駈着けたのは野末源之丞。奥書院にて人払いの上、密談の最中。池田出羽は当惑の色をその眉宇の間に示しながら。....
三国志」より 著者:吉川英治
、この青年の魅力に何か心をひかれたので、黙って彼のあとに従いて行った。 「ここは奥書院、俗吏は出入りしませんから、しばし静談しましょう。さあ、お着席ください」 ....
無宿人国記」より 著者:吉川英治
ながら、 「けなげな、赤穂の浪人、清水一角のいるからには、ここは一歩も」 と、奥書院にかよう、中門に立った。 「推参ッ」 と、萩垣の横から、槍が走った。――....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
げると、そうかと頷いて、更衣部屋にかくれ、老女の世話で、衣服を着かえると、やがて奥書院へ歩いて行った。 十兵衛と右門のふたりが、並んで坐っていた。 「又十郎は....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
か知らないが、とにかくその死が不自然な自殺であったし、撰んだ最後の場所が天光教の奥書院だったという、ただそれだけの理由で、伯父側の人々は彼に対して非常な反感を懐....