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奩
「奩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奩の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
い所が出て来た。甲野さんはここから書き始める。鉛筆を執《と》って景気よく、 「一
奩《いちれん》楼角雨《ろうかくのあめ》、閑殺《かんさつす》古今人《ここんのひと》....
「竇氏」より 著者:田中貢太郎
日になると習慣に従って新人を迎えに往った。 晋陽屈指の大家を親に持った、新人の
奩妝は豊盛であった。南はその夜赤い蝋燭のとろとろ燃える室で新人とさし向った。新人....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
支那、玉虫や鴛《おしどり》の思羽《おもいば》を日本の婦女が身に佩《お》びたり、鏡
奩《かがみばこ》に入れたりするも、上に述べた諸動植物も媚薬で、甚だしきは劇性人を....
「雁」より 著者:森鴎外
に摺った花月新誌や白紙に摺った桂林一枝のような雑誌を読んで、槐南、夢香なんぞの香
奩体の詩を最も気の利いた物だと思う位の事であった。僕も花月新誌の愛読者であったか....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
リ長サ二寸許枝無クシテ梢ニ葉アリテ松ノ苗ニ似タリ好事《コウズ》ノ者之レヲ採テ鏡ノ
奩《ス》ニ蔵メテ云ク霊草ナリ行人ノ消息《アリサマ》ヲ知ラント欲セバ之レヲ※水は字....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
らいなのから、小さなのは蚕豆なるまで、品には、床の置もの、香炉、香合、釣香炉、手
奩の類。黄金の無垢で、簪の玉を彫んだのもある。地金は多くは銀だが、青銅も、朧銀も....