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奪
「奪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
にんめんそう》ででもございましょうか。これは甥《おい》を遠矢にかけて、その女房を
奪ったとやら申す報《むくい》から、左の膝頭にその甥の顔をした、不思議な瘡《かさ》....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
?――いや、苦痛ではない。惰力《だりょく》の法則はいつのまにか苦痛という意識さえ
奪ってしまった。彼は毎日無感激にこの退屈そのものに似た断崖の下を歩いている。地獄....
「河童」より 著者:芥川竜之介
のですよ。第一この間あなたの話したあなたがた人間の義勇隊よりも、――一本の鉄道を
奪うために互いに殺し合う義勇隊ですね、――ああいう義勇隊に比べれば、ずっと僕たち....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
に朝鮮八道へ襲来《しゅうらい》した。家を焼かれた八道の民は親は子を失い、夫は妻を
奪われ、右往左往《うおうさおう》に逃げ惑《まど》った。京城《けいじょう》はすでに....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
や》と呼ばれていた話、又|湘譚《しょうたん》の或|商人《あきんど》から三千元を強
奪した話、又|腿《もも》に弾丸を受けた樊阿七《はんあしち》と言う副頭目を肩に蘆林....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
た。孫七は今心の眼に、彼の霊魂《アニマ》を見ているのである。彼の霊魂《アニマ》を
奪い合う天使と悪魔とを見ているのである。もしその時足もとのおぎんが泣き伏した顔を....
「女」より 著者:芥川竜之介
再び薔薇に返って来た真昼の寂寞《せきばく》を切り開いて、この殺戮《さつりく》と掠
奪とに勝ち誇っている蜘蛛の姿を照らした。灰色の繻子《しゅす》に酷似《こくじ》した....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
うと云う事もあるまいがね、――慎太郎へだけ知らせた方が――」
洋一は父の言葉を
奪った。
「戸沢《とざわ》さんは何だって云うんです?」
「やっぱり十二指腸の潰瘍....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
折も、夫は博奕《ばくち》に負けましたために、馬はもとより鎧兜《よろいかぶと》さえ
奪われて居ったそうでございます。それでも合戦《かっせん》と云う日には、南無阿弥陀....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
蟹《かに》の握り飯を
奪った猿《さる》はとうとう蟹に仇《かたき》を取られた。蟹は臼《うす》、蜂《はち》....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
白襷隊《しろだすきたい》は、松樹山《しょうじゅざん》の補備砲台《ほびほうだい》を
奪取するために、九十三高地《くじゅうさんこうち》の北麓《ほくろく》を出発した。
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
若《も》し自然の名のもとに如何なる旧習も弁護出来るならば、まず我我は未開人種の掠
奪《りゃくだつ》結婚を弁護しなければならぬ。
又
子供に対する母親の....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
》の御屋形《おやかた》や鹿《しし》ヶ|谷《たに》の御山荘も、平家《へいけ》の侍に
奪われた事、北《きた》の方《かた》は去年の冬、御隠れになってしまった事、若君も重....
「墓」より 著者:秋田滋
た。 彼女の一挙一動は、わたくしを恍惚とさせました。彼女の声は、わたくしの心を
奪うのでした。彼女のからだ全体が、それを見ているわたくしに、限りない悦びを催させ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
独立戦争中は、イギリスとアメリカとの境界線が、この近くを通っていたので、ここは略
奪の修羅場となり、亡命者や、王党側の暴れものや、そのほか、あらゆる国境の荒くれ男....