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奪い返す
「奪い返す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奪い返すの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫人探索」より 著者:夢野久作
のは、あなたの未来の夫人たるべき、その美少女です。あなたはその美少女から百万円を
奪い返すべき権利があります」 六 中村芳夫は、高山名探偵の、こう....
「鎖工場」より 著者:大杉栄
達の数は多い。多勢に無勢だ。俺達がみんな一緒になって行けば、一撃の下に、あの鍵を
奪い返すことができる。」 「しかし正義と平和とを主張する俺達は、暴力は慎まなけれ....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
々に其一人に飛掛り初の喧嘩は扨置て己の金を何うしやがると云う様な具合に手ン手ンに
奪い返す所から一人と大勢との入乱れと為り踏れるやら打れるやら何時の間にか死で仕舞....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に小手を打たれてその覆面は太刀《たち》を取落したその隙に、兵馬は飛び越えて駕籠を
奪い返すべく走《は》せ出すと、続いて二人の覆面はやらじと追いかけます。 兵馬は....
「暴風雨に終わった一日」より 著者:松本泰
いる武太郎が、いかに二人を悩ましたかということは想像に余りある。……宝沢は猟銃を
奪い返すために武太郎の後を追っていった。……人里離れた山中で半狂乱の武太郎と宝沢....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
んでいるのだった。そして其の男の手に持っていた風船玉を引ったくった。男は風船玉を
奪い返すようなふりをしながらジャネットの手首を掴え、それから強い力で自分の方へ、....
「読書子に寄す」より 著者:岩波茂雄
に学芸が最も狭き堂宇に閉鎖されたことがあった。今や知識と美とを特権階級の独占より
奪い返すことはつねに進取的なる民衆の切実なる要求である。岩波文庫はこの要求に応じ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
費をしてもかまわないが、それは仕事に関聯しての話である。 エンゼルから記代子を
奪い返すだけのことだ。そういう権利があるからである。理窟はどうでもかまわないのだ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
豆守が田沼侯へ音物として、『ままごと』に添えてお品殿を、お贈りするのだと推察し、
奪い返すことは出来ないまでも、確かめて見ようとこう思い、今宵伊豆守の邸の傍へ、忍....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
いところがある」ラシイヌは微笑を含みながら、「いずれあそこへ飛び出したのは紅玉を
奪い返すためだったろう。どうやら張と紅玉とは恋人同志のように思われるじゃないか。....
「魔都」より 著者:久生十蘭
叫びながら真名古に躍りかかって激しくその手首を打ち据え、もぎとるようにして封筒を
奪い返すと、力一杯に壁の方へ突き飛ばした。
真名古はヨロヨロと壁際までよろけて....
「上海」より 著者:横光利一
むらと起る外界との闘争慾が、突然持病のように起り出したのだ。彼は逆に、落ちつきを
奪い返す努力に緊張すると、弾丸の飛ぶ速力を見ようとした。彼の前を人波の川が疾走し....