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奪取
「奪取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奪取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
白襷隊《しろだすきたい》は、松樹山《しょうじゅざん》の補備砲台《ほびほうだい》を
奪取するために、九十三高地《くじゅうさんこうち》の北麓《ほくろく》を出発した。
....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
ではないことは、星尾がその綿を所持していたことを自白している。しかし星尾は豊乃に
奪取されたことを知らないらしい。 今や、事件の焦点は脱脂綿の出所にあつめられた....
「地球盗難」より 著者:海野十三
られたのです」 大隅は笑って、これを偽のシュワルツコッフ博士と思われる人物から
奪取した顛末を手短かに話した。それから二人は、裏山の蔭に入って相談に懸った。銅像....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
徒らに奔命に疲れるばかりでなく、諸処に討死をする。一揆の方では三会村の藩の米倉を
奪取しようとさえした。 隣国の熊本藩、佐賀藩では急を聞いて援軍各々数千を国境に....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
康と軍議を凝らして居る。小田原攻撃の前哨戦は、先ず誰が見ても此の山中、韮山二城の
奪取でなければならない。 山中城に対する襲撃は、三月二十九日の早朝に始まって居....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
、アノ傷で見れば死る迄に余ほど闘った者ですが女ならアレほど闘う中に早く男に刃物を
奪取れて反対に殺されます、又背中の傷は逃た証拠です、相手が女なら容易の事では逃げ....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
であることを意味していた。 殊に小軍閥や、土匪は、武器なら人を殺しても、それを
奪取した。武器ならいくら金を出しても、それを買い取った。そこで、土匪のうわ前をは....
「骨董」より 著者:幸田露伴
まをしていた。論に勝っても鼎を取られては詰らぬと気のついた廷珸は、スキを見て鼎を
奪取ろうとしたが、耳をしっかり持っていたのだったから、巧くは奪えなかった。耳は折....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
「……といったようなわけでありまして、憎むべき烏啼天狗は理不尽にもわが最愛の妻を
奪取しようというのであります。およそかかる場合において、夫たる身ほど心を悼ましむ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
にしてな。それじゃに、……その犠牲の女を連れて行くのは、八千の人の生命を、お主が
奪取って行くも同然。百合を置いて行かん事には、ここは一足も通されんわ。百合は八千....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
「江戸は本丸西丸の、両丸に兵燹を掛けねばならぬ。機を見て城中へ兵を進め新将軍を
奪取する。又京都は二条の城及び内裏へも火を放ち、勿体至極もないことながら、帝の遷....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
名ばかりの有段者がズラリとそろっていて、上は何段か知れないけれども、相当の高段を
奪取した猛者もいるようだ。私が二段になったときいて、初段の火野葦平は日本棋院へ訴....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
て、宮廷に進めようとする。其時になって、此二人の後備えとも言うべき貴族に、途から
奪取せられてしまう。こう言う場合、此小説の書き方が、極めて深刻であり、其だけにま....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
張したように艦隊がポルトガルの沖に待伏せしていたならば――巨大ないっさいの財宝を
奪取することができたにちがいないということである。エリザベスのエセックスに対する....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
墺軍を放置して露軍に向い、八月十二日クーネルスドルフの堅固なる陣地を攻撃、一角を
奪取したけれども遂に大敗し、さすがの大王もこの夜は万事終れりとし自殺を決心したが....