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奮って
「奮って〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奮っての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と、権之兵衛に手柄をさせてつかわせい」 けれども、十吉は必死でした。渾身の勇を
奮って、その手をすりぬけながら、やにわとまた逃げのびようとしたので、大きくひと足....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んなさい!」 「えッ!」 「あっしが許してお願いするんだ。遠慮なさらず、昔の腕を
奮っておくんなさいよ」 「そうでござんしたか! そのために、わたしを鳥追いにやつ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
正《せんじゅいんむらまさ》が切る一方の刀ばかりを打つので、とうとう師の正宗が涙を
奮ってこれを破門したところ、今度は村正がそれを根にもって、では師匠正宗すらもしの....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い。誰がその時彼の踏み出した脚の一歩について尤めだてをする事が出来るか。彼が自ら
奮って一歩を未知の世界に踏み出した事それ自身が善といえば善だ。彼の脚は道徳の世界....
「人間灰」より 著者:海野十三
に憤慨せずにはいられなかった。今夜こそ、もし何かあったら、それこそ彼は全身の勇を
奮って、西風に乗ってくる妖魔と闘うつもりだった。 丁度午後十一時半を打ったとき....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
次越にさしかかると、待ち構えた薩軍は、峠の麓の立岩に在って砲火を開いた。官軍勇を
奮って躍進するが、なかなか頑強であって、之を抜く事が出来なかった。その筈である、....
「運命」より 著者:幸田露伴
を遅たむ。 其才を称し、其学を勧め、其の流れて文辞の人とならんことを戒め、其の
奮って聖賢の域に至らんことを求め、他日|復再び大道を論ぜんことを欲す。潜渓が孝孺....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
いからじゃ。是が非でも出家にさせねばならぬ必要があるゆえ、そちが一世一代の手管を
奮って、うまうまと剃髪させい」 「でも、でも、わたし、そんな手管とやらは……」 ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
誌も亦ビジネスとして立派に存立し得る事が証拠立てられてから、有らゆる出版業者は皆
奮って雑誌を発行した。文人が活動し得る舞台が著るしく多くなった。文人は最早非常な....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ても駄目だ」 「そのことじゃねえ。商売のことさ。出獄したところでお前に一つ腕前を
奮って貰わなくちゃ、烏啼天駆の弟で候のといっても、若い奴らが承知しねえ。かねてお....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
とは憶えているが、あとはどうなったか知らない。重なる怪奇現象に対して全身の勇気を
奮って闘っていた僕は、遂に負けてしまったのである。 その次に気がついた時は、僕....
「流線間諜」より 著者:海野十三
もち上った。帆村の元気は百倍した。下に落ちては大変だと気を配りながら、満身の力を
奮って、鉄格子を押しあげた。格子は彼の想像どおり、ズルズルと横に滑っていった。 ....
「戯曲復興の兆」より 著者:岸田国士
のの新劇団は、以前にもまして創作戯曲の力作を求めつゝあり、われわれ戯曲家もまた、
奮ってその要求に応えようとしているのである。たゞ、この需要供給の原則だけでは、問....
「父の墓」より 著者:岡本綺堂
を信じて疑わず、後世安楽を信じて惑わず、更に起って我一身のため、わが一家のため、
奮って世と戦わんとするものなり。哀悼愁傷、号泣慟哭、一|枝の花に涙を灑ぎ、一|縷....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
を建てんと云いたまうぞと、このこと八方に伝播れば、中には徒弟の怜悧なるがみずから
奮って四方に馳せ感応寺建立に寄附を勧めて行くもあり、働き顔に上人の高徳を演べ説き....