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「奮然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奮然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
《たち》の下を、脱兎《だっと》のごとく、くぐりぬけると、両手に堅く握った太刀を、奮然として、相手の胸に突き刺した。そうして、ひとたまりもなく倒れる相手の男の顔を....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
急に相手が憎《にく》くなった。そこで甚太夫がわざと受太刀《うけだち》になった時、奮然と一本突きを入れた。甚太夫は強く喉《のど》を突かれて、仰向《あおむ》けにそこ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
また絶望的な勇気を振い起して、 「よし。」と噛《か》みつくように答えたと思うと、奮然と大手を拡げながら、やにわにあの大岩を抱《だ》き取ろうとした。 岩はほどな....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
舞いになって、すこし惜しい気もするけれど」 それを聞いていた大江山捜査課長は、奮然として卓を叩いた。 「吸血鬼事件が片づいても、まだ片づかぬものが沢山ある。帝....
蠅男」より 著者:海野十三
に迫ってこようというのだった。帆村はもう覚悟をしなければならなかった。 帆村は奮然と、卓を叩いて立ち上った。 (そうだ。村松検事を救い出す手は外にないのだ。そ....
地球盗難」より 著者:海野十三
者だッ!」 大隅は話し半ばに怪しき方法によって河村を虐殺した者のあるのを悟り、奮然として、門番の小屋から外に飛びだした。岩蔵に違いない! ところが彼は、屋外....
自叙伝」より 著者:大杉栄
てそのたびに、彼女の口から、例の「殺す」という言葉が出た。その言葉を聞くと、僕は奮然として、その席を起って出た。 かくして僕は彼女から三度ばかり絶交を申渡され....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
意を覚って、やや安心していると、僕は待ちかねて早く食え食えと主人に迫るので、張は奮然決心して、わが膝を叩きながら大いに叫んだ。 「烏龍、やっつけろ」 狗は声に....
脳の中の麗人」より 著者:海野十三
が、Yのやつ、持ってゆかないで、こんなひどいことをしやがった」 Yという女が、奮然と主人公の写真をやぶくところが、目の前に見えるようだ。だがこのくだりも、彼に....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
は、真赤な鮮血だった。 「畜生、やりやがったな」 「火の玉」少尉は重傷に屈せず、奮然と立ち上った。そしてキンチャコフがピストルを握り直そうとしたところを、すかさ....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
らく硝子窓に頬杖をついていたが、 「酒、酒。」 と威勢よく呼んだ、その時は先生奮然たる態度で、のぼせるほどな日に、蒼白い顔も、もう酔ったように※と勢づいて、こ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ゃっと悲鳴を揚げた。 この発奮に、 「乗るものか。」 濡れるなら濡れろ、で、奮然として駈出したが。 仲見世から本堂までは、もう人気もなく、雨は勝手に降って....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
く、まさにその影響を一国独立の上に及ぼさんとするの勢いあり。政教子ここにおいて、奮然一起して遠洋万里の途に上り、欧米政教の大勢を一見せんとするに至りしなり。 ....
西航日録」より 著者:井上円了
なし。これ決して将来、東洋に覇たる資格を有するものにあらず。ゆえに今後の青年は、奮然としてたち、この欠点を補いて、大いになすところなかるべからず。しかるに今日の....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
去ったに違いない、それにしてもこの部屋の荒しようはどうだろう。足の踏み場もない。奮然として棒立ちになっているのを見て、友人は嘲笑を唇に浮べて云った。 「怖しく散....