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「女の魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

女の魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
の」 お絹はうなずくように眼をかすかに動かした。今お辰に声をかけられるまで、彼女の魂は夢とうつつの境にさまよいながら、男と自分との楽しい過去や、切《せつ》ない....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
野ヶ原にさまよって、そことも分からない玉藻の死に場所をあさり歩くには及ばない。彼女の魂のありかは確かにそこと見きわめられたのである。千枝太郎はわざわざたずねて来....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
間だけ、時江には、はっきりとした戦《おのの》きが現われた。しかし、その衝動が、彼女の魂を形もあまさず掠《さら》ってしまって、やがて鈍い目付きになり、それは、眠っ....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
す。」 これで安心して、衝と寄りざまに、斜に向うへ離れる時、いま見たのは、この女の魂だったろう、と思うほど、姿も艶に判然して、薄化粧した香さえ薫る。湯上りの湯....
連環記」より 著者:幸田露伴
のます鏡なれにし影を人にかたるな」と書いてあった。事情が何も分った訳ではないが、女の魂魄とする鏡を売ろうとするに臨みての女の心や其事情がまざまざと※の中にも断え....
死者の書」より 著者:折口信夫
息ついたり、うなされたりするか、知る筈のない昔かたぎの女たちである。 やはり、郎女の魂があくがれ出て、心が空しくなって居るもの、と単純に考えて居る。ある女は、魂....
女の魂」より 著者:泉鏡花
宮山良介という学生が、一夏北陸道を漫遊しました時、越中の国の小川という温泉から湯女の魂を託って、遥々東京まで持って参ったというお話。 越中に泊と云って、家数千....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と申しても、或は頭に力強く響かぬかも存じませぬが、私どもの時代には、守刀はつまり女の魂、自分の生命から二|番目の大切な品物だったのでございます。 神様もこの私....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
一家のことについて語り合ったあげく、偶然手を触れ合ったのであった。その一触が、彼女の魂を、根底から揺り動かし、「叫び」となって、彼女の口から出たのは、無理だとは....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
そこには眇目の男がほほえみながらたたずんでいた。 「われらは約束をたがえずに、采女の魂をこの世に呼び戻した。お身がここに棲んでいるかぎりは、呼べばいつでも来る。....
」より 著者:岡本綺堂
さん。あたし達の眼にはなんにも見えなかったけれど……。あの人のうしろには殺された女の魂が、影のように附き纏っていたのかも知れないわ。 重兵衛 (又かんがえる。)....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
った。 其間も彼は山椿の枝を放さなかった。紅い蕾は疾くに砕けて了ったが、恋しき女の魂魄が宿れるもののように、彼は其の枯枝を大事に抱えていた。 今日も漸く暮れ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
は今まで解脱ということを、自分の身の上の慾望とのみ考えて来たが、今は死んだ果敢い女の魂の為にもその事が必要のように思われて来た。なぜならば、自分の性情に何等かの....
」より 著者:岡本かの子
ら大ように力を消費して行くかのようである。 青年の人柄も人柄なら、その技倆にも女の魂を底から揺り動かす魅力があった。室子がいくら焦って漕いでも、相手の艇頭はぴ....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
やたらに鏝を振り廻わしながら、部屋中をくるくると廻わった。 「この心臓の中に、彼女の魂が入っている、ええッ。出ろ、出てゆけ!」 彼は喚めきながら、自分の胸をな....