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「女形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

女形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
、 「旅馴れた田舎稼ぎの……」 (女俳優)と云いそうだったが、客が居たので、 「女形にお任せなさいまし。」 とすらりと立った丈高う、半面を颯と彩る、樺色の窓掛....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
れるとしたら、数年前に東京で買われたなじみが、その時とは違って、そこの立派な立て女形になっているということが分った。よくよく興ざめて来る芸者ではある。 それに....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、ただ呆れ果ててぞいたりける風情がある。 これは、さもありそうな事で、一座の立女形たるべき娘さえ、十五十六ではない、二十を三つ四つも越しているのに。――円髷は....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
ここに控えたのである。 あの、底知れずの水に浮いた御幣は、やがて壇に登るべき立女形に対して目触りだ、と逸早く取退けさせ、樹立さしいでて蔭ある水に、例の鷁首の船....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
たが。 舞台に姿見の蒼い時よ。 はじめて、白玉のごとき姿を顕す……一|人の立女形、撫肩しなりと脛をしめつつ褄を取った状に、内端に可愛らしい足を運んで出た。糸....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、眉をせめて俯目になったと思うと、まだその上に――気障じゃありませんか、駈出しの女形がハイカラ娘の演るように――と洋傘を持った風采を自ら嘲った、その手巾を顔に当....
南地心中」より 著者:泉鏡花
、暴れる事、桟敷へ狼を飼ったようです。(泣くな、わい等、)と喚く――君の親方が立女形で満場水を打ったよう、千百の見物が、目も口も頭も肩も、幅の広いただ一|人の形....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
お職が命まで打込んで、上り藤の金紋のついた手車で、楽屋入をさせたという、新派の立女形、二枚目を兼ねた藤沢浅次郎に、よく肖ていたのだそうである。 あいびきには無....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
、あの細い胴中を、鎖で繋がれる様が見たいと、女中達がいっておりました。ほんとうに女形が鬘をつけて出たような顔色をしていながら、お米と謂うのは大変なものじゃあござ....
村芝居」より 著者:井上紅梅
は仕方なしに後方の人込みに揉まれて舞台を見ると、ふけおやまが歌を唱っていた。その女形は口の辺に火のついた紙捻を二本刺し、側に一人の邏卒が立っていた。わたしは散々....
余齢初旅」より 著者:上村松園
しに行っているのをみたのであった。 一番終りの日に、支那芝居を一時間ほどみた。女形のいい役者が来ていた。筋書は分らなかった。さわがしい囃子であった。日本の芝居....
中支遊記」より 著者:上村松園
臭をおしわけてゆくような処で、日本でいう大部屋という感じだった。チャリも三枚目も女形も大将軍も一部屋にごちゃごちゃと座を持っていた。 私が写生帖をひらき皇帝に....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
た小坊主同然、しかし丈高く、面赤き山伏という処を、色白にして眉の優い、役者のある女形に誘われて、京へ飛んだ。初のぼりだのに、宇治も瀬田も聞いたばかり。三十三間堂....
三枚続」より 著者:泉鏡花
なく尋ねたのが、愛吉に直ぐ読めて、 「おかしゅうございましょう、先生、檜舞台の立女形と私等みたような涼み芝居の三下が知己ッてのも凄じいんですが、失礼御免で、まあ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、妹の事なり、何なり、誰かに引撲かれそうな気がしてならなかったからね。――一体、女形の面裡からものが見えるッて事はないのに、駢指が真向うへ立ったんだ。」 「さあ....