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女性的
「女性的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女性的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
せんうし》が一匹|繋《つな》いであった。朝鮮牛は頸《くび》をさしのべたまま、妙に
女性的にうるんだ目にじっとわたしを見守っていた。それは何かわたしの来るのを待って....
「或る女」より 著者:有島武郎
れでもそのあとからついて来た。
部屋はさすがに葉子のものであるだけ、どことなく
女性的な軟《やわ》らか味を持っていた。東向きの腰高窓《こしだかまど》には、もう冬....
「片信」より 著者:有島武郎
称し、あるいは『新興階級者に……ならしてもらおうとも思わない』といったりする……
女性的な厭味《いやみ》」と堺氏の言った言葉を僕自身としては返上したくなる。
次....
「富士」より 著者:岡本かの子
そ》く鋭い峯が配置よく並び立っている。この方は背丈けは他より抽んでているが翁には
女性的に感じられる。翁はこの山には人身の岳神が住み守ると聞いたが、それにしたら、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
愛という言葉にも多くの歪んだ意味が与えられている。通常愛といえば、すぐれて優しい
女性的な感情として見られていはしないか。好んで愛を語る人は、頭の軟かなセンティメ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
治的手段に対して絶対的でなくなる――比較的価値が低くなるに従って戦争は細く長く、
女性的に、即ち陰性の戦争になるのであります。これを持久戦争と言います。 戦争本....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ビショビショと降っている。むかしの夕立の男性的なるに引きかえて、このごろの夕立は
女性的である。雷雨一過の後も爽かな涼気を感ずる場合が少なく、いつまでもジメジメし....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
になった。 慈悲太郎は、兄とはちがって、白いふっくらとした肉で包まれ、むしろ、
女性的に見えるのだが、その弾力、薄絹のような滑りに、フローラはじりじりと酔わされ....
「妖怪漫談」より 著者:岡本綺堂
この男性的の系統を引いているらしいが、大体に於て支那の蛇妖は男性的、我国の蛇妖は
女性的が多い。 そこで、支那と我国との怪談の相違を求めると、狐狸と一口にいうも....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
あるかの謎を解く望みを放棄したことも、一度や二度ではなかった。――それは男性的と
女性的、活発としぶとさ、堅忍不抜と優柔不断などの混合物であって――問題がなんであ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
をしようと決議した。市会にかけるとうるさいから、市会にかけなくても実行の出来る、
女性的改造にすぐ、取りかかることにした。 託児所の増設、貧民無料看護特志婦人会....
「舞子より須磨へ」より 著者:小川未明
の上を走るような、黒い陰気な雲の片影すらなかった。曇っても飽迄で明るい瀬戸内海は
女性的である。自然は広い、これも自然の有する姿の一であると思えば、生れてから暗い....
「若き姿の文芸」より 著者:小川未明
ゝ中にも女性を帯びたものでなければならぬ。言を換えていえば芸術の姿其れ自身が本来
女性的であると思う。 或る芸術品に対した時、其の作品から吾人は何等の優しみも、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に大切になって参ります。 子供は大抵中性です。中性というのは男性的なところも、
女性的なところもあるものです。 それが年を経るに従って、男性、女性を発揮して参....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
武力の価値が他の手段に対し絶対的地位を失い、逐次低下するに従い戦争は活気を失い、
女性的、陰性となり、通常長期戦争となる。これを持久戦争と命名する。 戦争本来の....