女扇[語句情報] » 女扇

「女扇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

女扇の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖術」より 著者:泉鏡花
打合わせの繻子を覗く。 その間に、きりりと挟んだ、煙管筒? ではない。象牙骨の女扇を挿している。 今圧えた手は、帯が弛んだのではなく、その扇子を、一息探く挿....
河明り」より 著者:岡本かの子
に居て、けむるような睫毛を瞳に冠せ、この娘特有の霞性をいよいよ全身に拡げ、悠長に女扇を使いながら社長のいうことを聴いている。私が手短に娘をここへ連れて来た事情を....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
のことを言わして頂くことにした。 ――さて江戸芸者の濫觴は、宝暦年中、吉原の遊女扇屋歌扇というが、年あけ後に廓内で客の酒席に侍り、琴三味線を弾きもて酔興をたす....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
ろうより、この一折持っていきゃ。」 取らしょうと、笛の御手に持添えて、濃い紫の女扇を、袖すれにこそたまわりけれ。 片手なぞ、今は何するものぞ。 「おんたまも....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
…と信仰する、観世音のたまう腹帯である。 その三宝の端に、薄色の、折目の細い、女扇が、忘れたように載っていた。 正面の格子も閉され、人は誰も居ない……そっと....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ったのに。 かえって、木魚に圧された提紙入には、美女の古寺の凌辱を危み、三方の女扇子には、姙娠の婦人の生死を懸念して、別に爺さんに、うら問いもしたのであったが....
黒百合」より 著者:泉鏡花
懸けに結んで、結んだ上へ、桃色の帯揚をして、胸高に乳の下へしっかと〆めた、これへ女扇をぐいと差して、膝の下の隠れるばかり、甲斐々々しく、水色|唐縮緬の腰巻で、手....
星女郎」より 著者:泉鏡花
と、お合宿を願うかも知れません、御迷惑でござんしょうね。) とちょいと煽いだ、女扇子に口許を隠したものです。」 「成程、どうも。」 山伏は髯だらけな頬を撫で....