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女手
「女手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
。いくらわたし娘の時から周囲《まわり》から責められ通しに責められていても、今だに
女手一つで二人《ふたり》の妹まで背負って立つ事はできませんからね。……」
古藤....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
にぺたりに坐り込んで針を運ばせていた。糖尿病をわずらってお君の十六の時に死んだ。
女手がなくなって、お君は早くから一人前の大人並みに家の切りまわしをした。炊事、針....
「世相」より 著者:織田作之助
けですよ。南でバーをやってた女が焼けだされて、上本町でしもた家を借りて、妹と二人
女手だけで内緒の料理屋をやってるんですよ」 「しもた屋で……? ふーん。お伴しま....
「わが町」より 著者:織田作之助
へ出張していたし、おまけに、次郎をひいたトラックの運転手は、よりによって夫の死後
女手ひとつで子供を養っているという四十女で、そうと聴けば見舞金も受けとれなかった....
「死者の書」より 著者:折口信夫
重にも重って起った。姫の帳台の後から、遠くに居る父の心尽しだったと見えて、二巻の
女手の写経らしい物が出て来た。姫にとっては、肉縁はないが、曾祖母にも当る橘夫人の....
「母への追慕」より 著者:上村松園
若後家になった当時、親戚の者が母や私達姉妹の行末を案じて、 「子供二人つかまえて
女手ひとつで商売もうまく行くまい。姉のほうは奉公にでも出して世帯を小さくしたらど....
「雨」より 著者:織田作之助
にぺたりと坐りこんで針を運ばせていた。糖尿病をわずらってお君の十六の時に死んだ。
女手がなくなって、お君は早くから一人前の大人並みに家の切りまわしをした。炊事、縫....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、一藩の者からうしろ指をさされ、あれ見よ鴫澤主水こそは、親の敵を一人では討てず、
女手を借りたわと云われることが、心外なことに思われて、断行することが出来なくなっ....
「明暗」より 著者:岡本かの子
を卒業した。兄の道太郎と共に早く両親を喪った彼女は、卒業後も、しばらく家で唯一の
女手として兄の面倒を見ていた。去年の暮、兄は鈴子という智子とは同じ女学校の下級生....
「わが母を語る」より 著者:上村松園
らには、誰に一厘の厄介もかけることはできないと思い定め、一人の丁稚を追いまわし、
女手一つで店をやっていきました。体は至って壮健で、実にまめによく働きました。私が....
「想い出」より 著者:上村松園
。 その時分、家の商売は葉茶屋でございまして、二人の子供を抱えた若い後家の母は
女手一つで私達を育てて呉れました。 明治二十年、十三歳で私は小学校を終えますと....
「城」より 著者:カフカフランツ
なたの気に入るでしょう。あたしたちはあなたをくつろがせてあげるわよ。あなたは実際
女手だけではむずかしいような仕事を助けてくれるんだわ。あたしたちは自分たちだけを....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
るい興奮さえ頬に登るようになった。 町の人は町角で――政枝は床に起き直って家の
女手に向って頼みに来る千人針を二針三針縫った。 政枝はラジオ戦勝ニュースを聴く....
「わが町」より 著者:織田作之助
人は△△沖の方へ出張していた。次郎をひいたトラックの運転手はよりによって夫の死後
女手ひとつで子供を養っている四十女で、そうときけば見舞金も受け取れず、 「貴女が....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
りましたでしょう。その間に夫の魂はすっかり有喜子に浚われてしまっていたんですの。
女手がなくて不自由だという事もあったのでしょうが、彼女は段々と入り込んで宴会など....