女文[語句情報] » 女文

「女文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

女文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
老人のように、澄ましこんでいる。 「商談、お待ち合わせにお利用下さい」 という女文字の貼紙の下で、あたかも誰かを待ち合わせているかの如き顔をしているのだが、む....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いる。現に小さい結び文《ぶみ》が落ちていた。 半七はその結び文をあけて見ると、女文字で「十五や御ようじん」と書いてあった。十五夜御用心――それは十五夜に於ける....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て……夫人がその時、わななきつつ持つ手を落して、膝の上に飜然と一葉、半紙に書いた女文字。その玉章の中には、恐ろしい毒薬が塗籠んででもあったように、真蒼になって、....
銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
。 その店の主人というのは、もう四十をとっくに越したらしい女で、恒川|房枝――女文字で、そんな標札がかかっていた。横町の人びとの噂によると、なんでも退職官吏の....
自叙伝」より 著者:大杉栄
嫉妬もなかった。それからもう一人、これは今ちょっとその人の名を言えないが、やはり女文士でかりにFというのがあった。そのFと僕とのごく淡い関係についても、彼女はや....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ているのであるから、筆跡も同一ではない。折れ釘のような男文字のなかに糸屑のような女文字もまじっている。殆ど仮名ばかりで小児が書いたようなところもある。その折れ釘....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
家の前に十七、八の若い娘が白い手拭をかぶって、今書いたばかりの「久松るす」という女文字の紙札を軒に貼っているのを見た。軒のそばには白い梅が咲いていた。その風情は....
春昼」より 著者:泉鏡花
なた、薬研のような破目の入った丸柱を視めた時、一枚|懐紙の切端に、すらすらとした女文字。 うたゝ寐に恋しき人を見てしより 夢てふものは頼みそめてき ――玉脇みを....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
らちらと砂子を散らして、絵も模様も目には留まらぬさきに――せい……せい、と書いた女文字。 今度は、覚えず瞼が染まった。 銑吉には、何を秘そう、おなじ名の恋人....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
庖丁を入れると、その鯔の腹のなかから手紙の状袋が出た。もちろん状袋は濡れていたが女文字で○之助様、ふでよりというだけは明らかに読まれた。 有喜世新聞社では一種....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
、それまではなんにも恐れることはない―― それらの文句の下に、それよりも上手な女文字で「その通りに」と書き入れてあった。そうして、最後の日付けの手紙の終わりに....
巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
術大臣が周章てて今度の持主に手紙で政府の保護を申出でた。するとやがて返事が来た。女文字で 御心配御無用に御座候。この家は前持主に妾が与えし愛の代償として譲られし....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
包丁を入れると、その鯔の腹のなかから手紙の状袋が出た。もちろん状袋は濡れていたが女文字で○之助様、ふでよりというだけは明らかに読まれた。 有喜世新聞社では一種....
二階から」より 著者:岡本綺堂
家の前に十七、八の若い娘が白い手拭をかぶって、今書いたばかりの「久松るす」という女文字の紙札を軒に貼っているのを見た。軒の傍には白い梅が咲いていた。その風情は今....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
てある。職業柄、こうした差出人の手紙は決して珍らしいことではないが、これは優しい女文字でしかも名前がない、彼女は好奇心にひかされて主人宛の親展書であるにかかわら....