女湯[語句情報] » 女湯

「女湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

女湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
を口実に、家を出ると云ったのは、この洗湯じゃないかと思う。――ちょうどその途端に女湯の暖簾《のれん》をあげて、夕闇の往来へ出て来たのは、紛れもないお敏でした。な....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うたまらなくなって、その背中を流しながらうまく誘い出したんです」 「娘はひとりで女湯へ来たんですか」と、わたしは訊《き》いた。 「いいえ、一人じゃありません。女....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が暮れてから近所の湯へ行くと、その帰りにわたくしが男湯から出ると、師匠もちょうど女湯から出る、そこでばったり又|出遇ったんです。すると、相談があるから是非寄って....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とっているのではないかと恐れられてならなかった。そのうちにこんな噂が又もや町内の女湯から伝わった。 津の国屋の女中でお松という、ことし二十歳の女が、夜の四ツ(....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
向うから誘うこともあった。気がつかずにいたが、毎度風呂の中で出くわす男で、石鹸を女湯の方から貰って使うのがあって、僕はいつも厭な、にやけた奴だと思っていた。それ....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
の方へ姿を消した。 バタバタと板の間を走る足音。カタコトと桶の転がる音など――女湯の客が、何か異常を知って狼狽しているらしいけはいだった。やがて間もなく、真蒼....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
どが画いてあって、私のゆく四丁目の湯では、男湯の石榴口に水滸伝の花和尚と九紋龍、女湯の石榴口には例の西郷桐野篠原の画像が掲げられてあった。 男湯と女湯とのあい....
わが町」より 著者:織田作之助
をひいて出て行ってから、こっそりやって来たらしい。 羅宇しかえ屋の婆さんが、夜女湯で一銭天婦羅屋の種吉の女房に語っているのを、他吉が男湯ではっきりきいたところ....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
のボーが鳴ると、皆は仕事場から一散に洗面所へ馳け出した。狭いコンクリートの壁が、女湯のような喧ましさをグヮン/\響きかえした。顔の所々しか写らない剥げた鏡の前で....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
った。私たち三人のものが、仕事をしまうと汗を流しに毎日出かけたものだった。男湯と女湯との境界に跨って共同の水槽があった。私は何気なくその水面を眺めながら洗ってい....
指輪一つ」より 著者:岡本綺堂
いのです。 それを見て僕は立ちどまりました。どうで宿屋の風呂であるから、男湯と女湯の区別があろうはずはない。泊まり客か宿の人か知らないが、いずれにしても婦人―....
三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
ているが、実際はまだそうではなかったかも知れない。女ばかりだとおもったのはこれは女湯であった。後でそのことが分かり、女中は母に叱られて私は二たび女湯に入ることが....
妖婦」より 著者:織田作之助
らア」 「ようし、きっとお飲みよ」 安子はそう言うといきなり起ち上って、男湯と女湯の境についている潜り戸をあけると、男湯の中へ裸のままはいって行った。手拭を肩....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
くわえながら湯屋の前にたたずみ、格子の明くのを待っている人もある。男湯に比べると女湯は遅く、午前九時か十時でなければ格子を明けなかった。その朝湯を廃止することに....
思い出草」より 著者:岡本綺堂
画いてあって、私のゆく四丁目の湯では、男湯の石榴口に『水滸伝』の花和尚と九紋龍、女湯の石榴口には例の西郷・桐野・篠原の画像が掲げられてあった。 男湯と女湯との....