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女盛り
「女盛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女盛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
得なかった。田川夫人が世に時めく良人《おっと》を持って、人の目に立つ交際をして、
女盛りといい条、もういくらか下り坂であるのに引きかえて、どんな人の配偶にしてみて....
「或る女」より 著者:有島武郎
されたのだけれども、始めて葉子を見る第三者は、物すごいほど冴《さ》えきって見える
女盛りの葉子の惑力に、日本には見られないようなコケットの典型を見いだしたろう。お....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ったく老境に入って、しかも、永年の飲酒生活の結果は、耄けて偏屈にさえなっていた。
女盛りの妻の鏡子は、態と老けた髪かたちや身なりをして、老夫のお守りをしなければな....
「嘘」より 著者:太宰治
も、たまにはあるのです。八十歳の婆とか、五歳の娘とか、それは問題になりませんが、
女盛りの年頃で、しかもなかなかの美人でありながら、ちっとも私に窮屈な思いをさせず....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
うが、総角《あげまき》のころから国漢文をよくして父君を驚かせた才女である。中年の
女盛りには美人としての評が高く、洋行中にも伊藤公爵との艶名艶罪が囂《かまびす》し....
「死者の書」より 著者:折口信夫
い郎女が、今におき、耳面刀自と、其|幽界の目には、見えるらしいのでおざりまする。
女盛りをまだ婿どりなさらぬげの郎女さまが、其力におびかれて、この当麻までお出でに....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
をたくさん持っていたのを見ても想像することが出来る。殊に普通の人間と違って、若い
女盛りで尼僧生活を送っている以上、その生理上にも一種の変態をおこすのは怪しむに足....
「女と帽子」より 著者:豊島与志雄
た? 面白かったですか、酸っぱかったですか。 波江さんも変っていましたね、丁度
女盛りではあるし、さんざ苦労をしてきながらも、明るくてのんきで空想的で、また大体....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が、彼女の美貌に懸想したのが別天王の息子、千列万郎だという。別天王はまだ三十五の
女盛りであるが、結婚が十四の年だから、千列万郎はもう二十一にもなっている。母の類....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
、一緒にしてしまって居る地方の多い「山ごもり」「野遊び」の為来りは、大抵娘盛り・
女盛りの人々が、中心になっているのである。順礼等と言って、幾村里かけて巡拝して歩....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
」と、祖母は、一寸言葉を澱ませました。私はそう云う祖母の顔を見ながら、二十四五の
女盛りの祖母を想像してみました。すると、私の眼の前の老女の姿は、忽ちに消えてしま....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
《あらわ》れているばかりで、血は綺麗に洗い流されている。 二十歳代を半ば過ぎた
女盛りのむっちりした身体を、黒襟かけた三|条《すじ》縦縞《たてじま》の濃いお納戸....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
らわし方だか、男勝手にはちょっときめにくい。ただしどう割引をした処で、二十二三は
女盛り……近ごろではいっそ娘盛りといって可い。しかも著者なかま、私の友だち、境辻....
「審判」より 著者:カフカフランツ
でしょう?」と、女は彼にきいた。娘の顔が彼のすぐ眼の前にあったが、多くの女がその
女盛りに持っているような強烈な表情を浮べていた。 「心配なさらないほうがいいです....
「妻」より 著者:神西清
あなたといっしょにいるのが恐かったけれど、今じゃ私恥かしいのですわ。……そうして
女盛りを無駄にしてしまいましたわ。あなたと闘っているうちに、私は自分の性格を台無....