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女郎蜘蛛
「女郎蜘蛛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
女郎蜘蛛の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
め取った。葉子の心は知らず知らず残忍になっていた。ただあの妖力《ようりょく》ある
女郎蜘蛛《じょろうぐも》のように、生きていたい要求から毎日その美しい網を四つ手に....
「千鳥」より 著者:鈴木三重吉
一面に積って朽ちている。物置の屋根裏で鳩がぽうぽうと啼いている。目の前の枯枝から
女郎蜘蛛が下る。手を上げて祓い落そうとすると、蜘蛛はすらすらと枝へ帰る。この時|....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
ん――姫様のおめしもの持て――侍女がそう言うと、黒い所へ、黄色と紅条の縞を持った
女郎蜘蛛の肥えた奴が、両手で、へい、この金銀珠玉だや、それを、その織込んだ、透通....
「蜘蛛」より 著者:豊島与志雄
、また人の心の自らなる連想作用でもある。 蜘蛛のうちでも最も傑出しているのは、
女郎蜘蛛である。多くの蜘蛛はどす黒い汚い色をしているのに、彼だけは、背と腹部とに....
「けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
その右の前足の一本だけを伸ばしてソロソロと動かしかけているようである。 ……お
女郎蜘蛛だ……あの南堂家の木立の中に居った奴がクッ付いたままここまで来たのだ。私....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
血痕が附いている。網にかかって命を取られた、蝶や蝉の屍と見れば見られる。血描きの
女郎蜘蛛! これが紙帳に現われている模様であった。では、その蜘蛛を背の辺りに負い....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
おおじょう》で、みなも、呆気にとられたくれえなんでございますよ」 「あんなのを、
女郎蜘蛛《じょろうぐも》とでもいうのだろうの。蕩《た》らしこんじゃア押しかけて行....
「謎の女」より 著者:平林初之輔
に睨んだとおりさ、きっと高等淫売だよ、ただの女じゃないと思ったさ。何のことはない
女郎蜘蛛が巣を張ってまってたようなもんさ。そこへあの馬鹿な新聞記者がひっかかった....