奴原[語句情報] » 奴原

「奴原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奴原の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
める余裕はまだまだ沢山ある。ブラブラ遊んで暮らすのを誇りとしている一部上流社会の奴原《やつばら》を初めとし、ろくろく食う物も食えぬくせに、汗を流して努力する事を....
新生」より 著者:島崎藤村
われ》のもそのまま置捨てることにした。ああ巴里も、わが巴里も、遂《つい》に独逸の奴原《やつばら》に蹂躙《じゅうりん》せらるるのか。小シモンヌが涙ぐんだのを見て巴....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
を操縦し、防戦につとめている千手大尉が舌打ちした。 「いまいましいメリケン空軍の奴原だ」 その慄悍なる敵機の一隊は、目標を旗艦|陸奥に向けて、突入してきた。 ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
実にすばらしい妙技でした。 「若僧やるな! 鳥刺しといい貴様といい、愈々|胡散な奴原じゃ。どこのどいつかッ。名を名乗らッしゃい? どこから迷って来たのじゃ!」 ....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
身となったゆえ、もはや、旧悪が暴露するうれいもないと考えているのであろう、一味の奴原《やつばら》が、われとわれから、そなたの面前に、みにくい顔をさらして見せたも....
十二支考」より 著者:南方熊楠
せざるなく、ロンドンに九年|在《い》た中、近年大臣など名乗って鹿爪らしく構え居る奴原《やつばら》に招かれ説教してやり、息の通わぬまで捧腹《ほうふく》させ、むやみ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
引く阿曲《あきょく》の小人 トドの詰りは首がないぞえ それに諂《へつら》う末社の奴原《やつばら》 得手《えて》に帆揚げる四藩の奸物《かんぶつ》 隅の方からソロソ....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
ろではなく、生来帝王の天質がなく、帝王になったところで、何一つ立派なことの出来る奴原ではないのである。 俗なる人は俗に、小なる人は小に、俗なるまま小なるままの....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
? どうしたらよかろう?) ――と、すぐに一つの考えが浮かんだ。 (丹生川平の奴原が、俺を見捨て走り去った。が、精悍の彼らである。よもや逃げて行ってしまったの....
弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
願いでござる、貴殿の弓勢お示し下され! 寄せて参ったは、不頼の輩、あばら組と申す奴原、討ち取って仔細無き奴原でござる!」 「応」と云うと日置正次は、調度掛にかけ....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
だ、場合によっては助けようと」 「それではお助け下さるので」 「拙者にも縁のある奴原だ。と云うより拙者の先生に、深い縁故のある奴だ、退治れば先生のお為にもなる。....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
った。 「秋安様」と寄り添うようにした。 「ああここに切られた人が!」 「聚楽の奴原にござりますよ」 秋安は死骸を指さしたが、 「貴方を手籠めにいたそうとした....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
るのだろう! ……が、そうならお気の毒だ! 彼女はそんな秘密などより、荏原屋敷の奴原を……」 「荏原屋敷だと※ おおその荏原屋敷とは……」 「そうれ、そうれ、そ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ったと、こう云われては腹に据えかねる……そうでなくてさえ怨みの重なる、高萩一家の奴原だ、この際一気に片づけてしまえ!」 なぐり込みの準備をやり出した。 とい....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
。) 唄※口にはほのおの息をふき、手にはくろがねの矛をふるい、恨み重なるかたきの奴原、一人も余さず地獄へ堕せと、熱湯の池、つるぎの山、追い立て追い立て急ぎゆく。....