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奸智
「奸智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奸智の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
釈迦《しゃか》の教である。ある仏蘭西《フランス》のジェスウイットによれば、天性|
奸智《かんち》に富んだ釈迦は、支那《シナ》各地を遊歴しながら、阿弥陀《あみだ》と....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
黠敏捷になると信じ(オエン、二三〇頁)、アフリカのバンツ人の俗譚に兎動物中の最も
奸智あるものたれば実際を知らざる者これを聞書《ききがき》する時スングラ(兎)を狐....
「蠅男」より 著者:海野十三
匍いあがっても、僕たちに乗り物のないことを知っているんだ。まるで、ジゴマのように
奸智にたけた奴……」 と、そこまで云った帆村は、急に言葉を切った。そして長吉の....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
らそう逃げ隠れする必要もなし、あんなに執拗に警察を嘲弄する必要もないのだ。それは
奸智に長けている事は驚くべきものだ。殺人位平気でやる奴だよ」 「僕もその意見には....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
いきません、栗皮茶のような色に成りましたが、だん/\酔が廻りますと、もとより邪淫
奸智の曲者、おやまは年齢二十二でございます、美くしい盛りで、莞爾と笑います顔を、....
「女性の歴史」より 著者:宮本百合子
様で、社会の現実そのもののように豊富なのを特徴としている。人間の可憐さ、狡猾さ、
奸智、無邪気さ、あらゆる強烈な欲望が描かれていて、そこに登場する婦人も、決して一....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
は言い条《じょう》、いままでの非礼の段々|平《ひら》におゆるしありたい」
と、
奸智《かんち》にたけた鈴川源十郎、たちまちおさよを実の母のごとく敬《うやま》って....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
ものもなかなか容易ならぬ職業だと思われる。それはとにかくこの善良愛すべき社長殿は
奸智にたけた弁護士のペテンにかけられて登場し、そうして気の毒千万にも傍聴席の妻君....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
伯は十六世紀の昔、国内の心根の曲った貴族の間においても、剛勇と乱心とたけだけしい
奸智とで彼等を縮み上らせた種族の最後の代表者ともいうべき男であった。 幾世紀に....
「処女の木とアブ・サルガ」より 著者:野上豊一郎
エルサレムを手に入れ、以後三十四年間、都城を改修して其処に住んでいた。勢力絶倫で
奸智に長《た》け、天下の形勢の推移にも見通しが利き、エジプトにもローマにも秋波を....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
だが、心服せざるを得ない。推理の見事なこと、人の見のがす急所をついて、どのように
奸智にたけた犯人も新十郎の心眼をだますことができないのである。そんなキッカケから....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、悉く信用していたが、いつか、袋持三五郎が、憤りながら
「月丸は、見かけによらぬ
奸智に長《た》けた奴、油断すな。といっても、恋に、眼の眩《くら》んでいる、お主に....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
綾との結婚の為には、邪魔が払えた勘定でもあるので、これは絶対に秘密にという小人の
奸智。 「俊良様、御掛り合で、重々御迷惑とは存じまするが。それ、な、決して、その....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
は忠臣も二人や三人は無い事はないそうですけれども、いかにも勢力が鈍く不忠の人間は
奸智に富んで居るだけ、巧みに徒党を組みたやすく倒すことの出来ないように立ち廻って....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
物は其れぞれ適切な村人や遊人の姿などになって居るし、狼は如何にも悪党らしく、狐は
奸智に長けた風になって居る、など中々巧みである。其内獅子王だけは唐服を着して居り....