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「奸策〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

奸策の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒猫」より 著者:佐々木直次郎
爛々たる片眼《かため》を光らせて、あのいまわしい獣が坐《すわ》っていた。そいつの奸策《かんさく》が私をおびきこんで人殺しをさせ、そいつのたてた声が私を絞刑吏に引....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ると、あの善良過ぎるほどのお人良しを云うのですか、それとも、女王エリザベスの権謀奸策を……あの三人に」 「それは、両様の意味でです」鎮子は冷然と答えた。「御承知....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
うてはならぬ。男子、事に当ってはつねに正々堂々、よしや悪を懲らすにしても女々しき奸策を避けてこそ本懐至極じゃ。天下御名代のお身でござる。愚か致しましたら、竜造寺....
斜陽」より 著者:太宰治
いちどお手紙を差し上げます。こないだ差し上げた手紙は、とても、ずるい、蛇のような奸策に満ち満ちていたのを、いちいち見破っておしまいになったのでしょう。本当に、私....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
て駈出しました。 七 飯島家にては忠義の孝助が、お國と源次郎の奸策の一伍一什を立聞致しまして、孝助は自分の部屋へ帰り、もう是までと思い詰め、姦....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
くなぐられたっけ」 千三の総身がぶるぶるとふるえた。かれははじめてそれが手塚の奸策だと知ったのである。かれは立ちあがってかれらのあとを追いかけようと思った。が....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
も漏らさなかったが――ごく僅少《きんしょう》な額だった。しかしジャンナン氏がある奸策《かんさく》家と接触するようになってからは、様子が違ってきた。この奸策家はあ....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
は『永代蔵』に狼の黒焼や閻魔鳥や便覧坊があり、対馬行の煙草の話では不正な輸出商の奸策を喝破しているなど現代と比べてもなかなか面白い。『胸算用』には「仕かけ山伏」....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いうより、むしろ公然と反目し合うようになった。そうして、やがてハーゲンは、一つの奸策を編み出したのである。 それは、剣もこぼれるというジーグフリードの身体に、....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
浦という女が、追っかけて来て、親分の吩咐けで、一|献献じたいといった。こいつ何か奸策あってのことだろうと、典膳は、最初は相手にしなかったが、田舎に珍しいお浦の美....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
危胎に瀕していたのですからね。ですから、何んとはなしにその奇蹟と云うのが、司教の奸策ではないかと思われて来るのですよ。そうして、此の事件にも、私は奸悪な接神妄想....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いるお粂のほうへ、こう紋也は声をかけたが、露路を一方へ歩き出した。 ――何らか奸策が行なわれているらしい。彼らのいないという理由はない。突然どこからか現われて....
南国太平記」より 著者:直木三十五
呪法に加護候え」 と、呟いたり、口の中でいったりしていた。 (調所殿が、敵党の奸策にかかって、毒死なされた上は、是非もない) と、仲太郎は、決心したのであっ....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
ち飲みわけて、 「これは後口がしぶい。国の茶をおまぜやしたな」 といって相手の奸策を見破るほど鋭敏な舌を持っていた。 ごまかしが利かないとなると、さすがのと....
不在地主」より 著者:小林多喜二
それはそうだろう、と思った。 阿部だけは、地主やその手先の役場の、とても上手い奸策だと云った。 「もう少し喰えなくなれば、模範青年ッて何んだか、よく分るえんに....