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奸譎
「奸譎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奸譎の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
いろ》の顔が真直に肩の上に乗っていた。当惑した野獣のようで、同時に何所《どこ》か
奸譎《わるがしこ》い大きな眼が太い眉の下でぎろぎろと光っていた。それが仁右衛門だ....
「文字禍」より 著者:中島敦
に処せられたであろう。思わぬご不興に愕然《がくぜん》とした博士は、直ちに、これが
奸譎《かんけつ》な文字の霊の復讐《ふくしゅう》であることを悟《さと》った。 し....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
》の痕《あと》を空裏《くうり》に焼く。あるものは道義の糸を引いて動き、あるものは
奸譎《かんきつ》の圜《かん》をほのめかして回《めぐ》る。縦横に、前後に、上下《し....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
から島へと渡り歩く白人行商人の中には、極く稀《まれ》に(勿論、大部分は我利我利の
奸譎《かんけつ》な商人ばかりだが)次の二つの型の人間を見出すことがある。その一つ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
く、また羞かしき事実が! われらの親は餓鬼のごとく貪欲に、われらの友は狐のごとく
奸譎に、しこうしておのれみずからは猿のごとくに婬乱なることのこの不幸なる自覚が!....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
鑑みられて、体面問題の如き小節の義に捉わることなく、大義に立脚して我が国民と共に
奸譎なる詐謀の犠牲たりし真相を明にし、断々固として其の責任を糾弾し、真に国体を明....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
横暴とが最も顕著な時代相の徴候であった。 日蓮の父祖がすでに義しくして北条氏の
奸譎のために貶せられて零落したものであった。資性正大にして健剛な日蓮の濁りなき年....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
であった。しかも部下を使ってルパン等に偽手紙と偽口伝をを残さしたのであった。兇悪
奸譎な代議士のためにルパンは不知の境に徘徊させられているのだ。あわれ夫人、彼女は....