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奸黠
「奸黠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
奸黠の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のは、一本の竹を吹き方によっていろいろと鳴き分けられるという便利なもので、だが、
奸黠《かんきつ》な小田切久之進がことば巧みにその名笛を巻きあげて、まんまとそれを....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
うと思うんだ」 「そうか」 と折竹は暫く黙っていた。あれ以来、ますます人相にも
奸黠の度を加えてきた、セルカークを憫むようにながめている。ただ、氷河の氷擦が静寂....
「微笑」より 著者:豊島与志雄
、それがうまくいったら世の中の有様ががらりと変ってしまいそうに思えた。陰険だとか
奸黠だとかいう言葉は不用になって、至る所バッカスのお祭りだ。 私は次の火曜を待....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
荊棘《いばら》のうちに銃眼をあけていた。その砲兵は茂みの下に潜められていた。その
奸黠《かんかつ》なる工事は、もとよりいかなる係蹄《わな》をも許す戦争ではとがむべ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
としたらどうだろうか。三伝が生きて――もしそうだとしたら、たぶんあるにちがいない
奸黠な綾のなかに、船場の遺書も自分の苦悶も、みな筋書のようにして織り込まれている....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、はっとする。疲れ切っていた心身も急に緊張してはずみだす。 ラサリーリョ少年が
奸黠な座頭の手引きとなって連れて行かれる途中で、橋飾りの牡牛の石像に耳をつけて聞....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に人工であるということが発見された。そこでこういうものをもって人を欺いて金を取る
奸黠な手段がこの仏教の盛んなチベット国において行われて居るというのは実に奇態であ....