好い年[語句情報] »
好い年
「好い年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好い年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
い事も定めてあったろう。聞きたい事、話したい事もたくさんあった。惜しい事をした。
好い年をして三遍も四遍も外国へやられて、しかも任地で急病に罹《かか》って頓死《と....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ために生れた男で、僕は通俗な世間から教育されに出た人間なのである。僕がこのくらい
好い年をしながら、まだ大変若いところがあるのに引き更《か》えて、市蔵は高等学校時....
「新生」より 著者:島崎藤村
「今度こそ置いてきぼりにしちゃいやですよ」節子の方から言出した。
「何だか俺は
好い年齢《とし》をして、中学生の為《す》るようなことでも為《し》てるような気がし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ある。武士と武士との掛け合いに、真顔になって幽霊の講釈でもあるまい。松村彦太郎、
好い年をして馬鹿な奴だと、相手に腹を見られるのも残念である。なんとか巧い掛け合い....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おかげさまで、みんな達者でございます」 「兄貴はまだ若いから格別だが、阿母はもう
好い年だそうだ。むかしから云う通り、孝行をしたい時には親は無しだ。今のうちに親孝....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
柄顔に自分の探偵した事も悉皆り多舌て仕舞うテ無学な奴は煽起が利くから有難いナア、
好い年を仕て居る癖に」 独言つゝ大鞆は此署を立去りしが定めし宿所にや帰けん扨も....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
四十一 又「己は愛想が尽きて厭になった、ふつ/\厭になった、坊主頭を抱えて
好い年をして嫉妬を云やアがるし、いやらしい事ばかり云うから腹が立って堪らんわい、....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
い方だから義が立ないとか何とか云う所からプイと遣ったか、それとも人にねえお前さん
好い年をして芸者の身請を致して、女房子の有る身分で了簡方が違おうとか何とか野暮な....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
音もせず壁から抜け出して、枕頭へ立ちましたが、面長で険のある、鼻の高い、凄いほど
好い年増なんでございますよ。それが貴方、着物も顔も手足も、稲光を浴びたように、蒼....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
七かな、八ぐらい?」 「いいえ、二十二。」 「む、二十二はちょうどいい。二十二は
好い年じゃ。ちょうどその位な時が好いものじゃ。何でもその時分が盛じゃ。あんたも佳....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
まう。しかし明治維新後八年、上宮太子降誕一千三百余年は、彼自身が彼を記念するには
好い年代である。それがただ一つの記念である。誰が何といおうとも、これだけは彼の体....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
亭主會徳が支えている。砧の音せわしく聞ゆ。) 會徳 これ、これ、どうしたものだ。
好い年をして夫婦喧嘩は外聞が悪いではないか。まあ、まあ、静かにするが好い。 柳 ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ぐと、長閑な霞のきれ間とも思われる、軽く人足の途絶えた真昼の並木の松蔭に、容子の
好い年増が一人、容の賤しからぬのが、待構えたように立っていて、 「もし、もし。」....
「活人形」より 著者:泉鏡花
うするって何をどうする。と空とぼければ擦寄って、「何をもないもんだよ。分別盛りの
好い年をして、という顔色の尋常ならぬに得右衛門は打笑い、「其方もいけ年を仕ってや....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
忰の病気が癒したいからお雪を離縁して、位牌と婚礼させるなんてえ馬鹿/\しい事が、
好い年をして己の口から万年町の兄に云えますか、私には云えない、本当に馬鹿な話だか....