好い気味[語句情報] » 好い気味

「好い気味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

好い気味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女の決闘」より 著者:太宰治
には人影が見えぬのに、女の心では、どこの硝子《ガラス》の背後にも、物珍らしげに、好い気味だと云うような顔をして、覗《のぞ》いている人があるように感ぜられた。ふと....
闇夜の梅」より 著者:三遊亭円朝
ぐい》を取出し、涙を拭いながら店へ出て来ると、番頭は粂之助が暇《いとま》になって好い気味だと喜んで居る。 粂「えゝ、番頭さん、私は唯今お暇《いとま》になりまし....
」より 著者:夏目漱石
の中に沈んで行きそうな静かな晩に、始めて御米の口からその話を聞いたとき、さすがに好い気味はしなかった。 「神経の起った時、わざわざそんな馬鹿な所へ出かけるからさ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いるそうで、長屋の者もみんな褒めていますよ。それにね、長屋の奴らは猫婆が斃死って好い気味だぐらいに思っているんですから、誰も詮議をする者なんぞはありゃしません。....
鬼涙村」より 著者:牧野信一
つが担がれて惨憺たる悲鳴をあげる態を想像すると、そこに居並ぶ誰を空想した時よりも好い気味な、腹の底からの爽々《すがすが》しさに煽《あお》られた。それにつけて私は....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
彼奴も窃盗をする奴だが、お瀧も矢張りお尋ねものの悪党だから殺されたって却って私は好い気味ぐらいに思って居るが、彼のお駒と云う小女は誠に可愛そうな事をしたね」 由....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ために逆様に立たせて置かれた帝王の馬丁は。ああ、あすこに頭を下にして立っている!好い気味だな。僕はそれが嬉しい! 彼奴がまた何の権利があって姫君の婿になろうなぞ....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
ことも何うすることも出来ないだろう! ……変な気がするだろう。」と、ざまを見ろ!好い気味だというように、段々|恐い顔をして、鼻の先で「ふゝん!」と言っている。 ....
千世子(三)」より 著者:宮本百合子
いで目を細くして千世子は髪と髪の間に五本の指を入れてかきまわされる何とも云えない好い気味をしみじみと味わって居た。 「ねえ貴方、女で髪をこんな事されていい気持....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
せ細った素首だから三尺|高い処へ板付になって、小塚原か鈴ヶ森へ曝された時に、あゝ好い気味だと云って笑って下せえ、其の代りに多助を抱いて往かなくっちゃア腹が癒えね....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
。 「わっ」と一声。後ざまに打倒れて、姿は此方から見えなく成った。何んとも云えぬ好い気味で有った。 竜次郎は手早く衣類を脱いだ。手甲、脚半とまでは届かなかった....
」より 著者:マクラウドフィオナ
モリイシャと一緒に行った人たちとで平和の聖歌をうたった、みんなは僧カアルの運命を好い気味がって、中にはその大木を切り割って焼いて罪人の身の塵を四方の風に飛ばして....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
であったというて喜んだのはシナ人で、ざまを見ろ法王の餓鬼が途中で大変な雨に遇って好い気味であったと罵って居た。しかし余り奇態な雨の降り方で実に不思議であった。そ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
二人養うようになったのだとさ。 グレエトヘン まあ。 リイスヘン好い気味だわ。 随分長くあの男に食っ附いていたわねえ。 やれ散歩に連れて行く、 ....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
て、その奥には人影が見えぬのに、女の心では、どこの硝子の背後にも、物珍らしげに、好い気味だというような顔をして、覗いている人があるように感ぜられた。ふと気が付い....