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好い顔
「好い顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好い顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
がら、内心長沙の人譚永年の顔をしかめるのを予想していた。しかし彼はもう一度愛想の
好い顔に返ったぎり、少しもこだわらずに返事をした。
「じゃもう一週間前に来りゃ好....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
たりで、湯場の方から上って来る正木大尉の奥さんにも逢った。大尉の奥さんは湯上りの
好い顔色で、子供を連れて、丁寧に二人に挨拶《あいさつ》して通った。 浴場には桜....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
所へ」と訝り問うように見えた。
第四十八回 婆の顔
養蟲園と聞いて馬丁まで
好い顔をせぬ所を見ると余り評判の宜くない家と言う事が分る、余は様々に聞き糺したが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か。角太郎に家督を譲りたいでしょうか。お照に相続させたいでしょうか。ふだんは幾ら
好い顔をしていても、人間の心は鬼です。邪魔になる角太郎をどうして亡き者にしようか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りでたずねて行くと、師匠は若けえ男なんぞを引っ張って帰って来て、手前に逢っても、
好い顔をしねえ。あんまり不実だとか薄情だとか云うんで、手前は師匠とやきもち喧嘩を....
「家」より 著者:島崎藤村
、茶屋でばかり逢うのも冗費だから、家へ来いなんて……そうなると、先方の母親さんが
好い顔をしませんや。それに、芸者屋へ入り込むというやつは、あまり気の利いたものじ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
対する感謝の言葉を連ねるのであった。その男は、五十を過ぎたかと思われるような人の
好い顔に、意地も張りもなくしたような皺がいっぱいたたまれていた。 主人とその男....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
蜻蛉の目で。 内へ帰れば借金取、そこら一面八方|塞り、不義理だらけで、友達も
好い顔せず、渡って行きたい洲崎へも首尾成らず……と新大橋の真中に、ひょろ、ひょろ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ている、その岡っ引の下には又四、五人の手先が付いているという順序で、岡っ引も少し
好い顔になると、一人で七、八人|乃至十人ぐらいの手先を使っていました。町奉行から....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
心に出入りしていたそうです。おげんが死んでしまって見れば、相原医師もいつもいつも
好い顔をして五兵衛の無心をきいているわけにも行きません。月日の経つに従ってだんだ....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
「この喜撰を売れとでも云うのか?」 「米屋醤油屋薪屋まで、もうもうずっと以前から
好い顔を見せてはくれませぬ。いっそお出入りを止めたいなどと……」 「なるほど」 ....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
えたり、それを取り替えたり洗ったり、それに世帯の苦労が加わりながらも、始終機嫌の
好い顔をして、赤ン坊の世話をした。妻は真から赤ン坊を可愛っているようだった。三日....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
しょうか、おてるに相続させたいでしょうか。(だんだんに興奮して。)ふだんはいくら
好い顔をしていても、人間の心は鬼です。邪魔になる角太郎をどうして亡き者にしようか....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
「そうか、いや意気地の無い奴だ。」と腹蔵の無い高笑。少禿天窓てらてらと、色づきの
好い顔容、年配は五十五六、結城の襲衣に八反の平絎、棒縞の綿入半纏をぞろりと羽織っ....
「影」より 著者:岡本綺堂
うのことですよ。現に今度の旅行でも、ゆく先々で忌がられたり、嫌われたり、どこでも
好い顔をされませんでした。 重兵衛 なぜでしょう。 旅人 わたしがそういう人間....