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好き好き
「好き好き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
好き好きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
節婦となり、忠臣となる。弱い人はまた幸にして一個の尋常な人間となる。それは人々の
好き好きだ。私は弱いが故に後者を選ぶ外に途が残されていなかったのだ。 運命は畢....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ばもちろん骨も折れるけれど、そのうちにまた言われない楽しみも多いのである。 各
好き好きな話はもちろん、唄もうたえばしゃれもいう。うわさの恋や真の恋や、家の内で....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
、それを嫌って、わざわざ遠廻りしてまで他所の風呂へ行くといった様に、勢い、それは
好き好きのことではあるけれど、噂で持ちきっていたものである。 では、陽吉はどう....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
近頃フィルムに現われる諸俳優について、一々の批評をして見た所で、その俳優に対する
好き好きがあろうから無駄な事だが、私は過日帝国館で上場された改題「空蝉」の女主人....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
が、そう言いながら、ものうい眼で男を眺めたのに違いない。
「そりゃあね、めいめい
好き好きがありますからね」
「それに、あなた御自身がまるで外国人のようですわ。生....
「敬語論」より 著者:坂口安吾
と思ったら不出来、相手の味覚がそれをどう受けとるにしても、味覚の好悪というものは
好き好きで論外である。 オセイボだ年始だと無意味なものを取ったり贈ったり、香典....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
に気をひかれる。それで調和いたしません。この矛盾、これは悪いことでしょうか」 「
好き好きさ。それだけ自分の好きなものが分っていれば結構さ。好きなようにやるのが道....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
子は素直にうなずいた。 「私もオジサンが好きになったわ。以心伝心ね。タデ食う虫も
好き好きかな。勝美姉さんたらあんな人殺しが好きになるんだもの。私はね、今日は重大....
「人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
いのである。現代が昔とちがって神経衰弱なのは、その点だけだ。 人の愉しみは銘々
好き好きのものであるから、各人の好むにまかせて、あげつらうべきものではないし、ヤ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
や学問が好きだという人にくらべて、彼女の方が道徳的に低いということにはならない。
好き好き、趣味の問題である。私が女房を選ぶんだッたら、家事が好きだという型よりも....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
かし、不自然ではある。イワシの頭も信心、アバタもエクボ、なぞと云うように、本人の
好き好きで、誰が何が好きになっても仕方のないことではあるが、まだしも蛇が好きで、....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
うしや》の一派が風靡《ふうび》したおりとて、紅葉館の女中の若い美女たちが、互いに
好き好きの作者に好意を持つようになったのは、硯友社の尾崎紅葉《おざきこうよう》氏....
「巣離れの鮒」より 著者:佐藤垢石
から次第に上の方へ玉を大きくしていく人もあるし、それと反対にする人もある。それは
好き好きである。なるべく形の大きい蚯蚓を餌にして枯れた真菰のまわりや腐った藻の切....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
世の状なり。 世に栄え富める人々は初霜月の更衣も何の苦慮なく、紬に糸織に自己が
好き好きの衣着て寒さに向う貧者の心配も知らず、やれ炉開きじゃ、やれ口切りじゃ、そ....
「鮑の水貝」より 著者:北大路魯山人
食べるのもよい。これはただ煮ればよいのであるから、つくり方は簡単である。いずれも
好き好きにやったほうがよろしい。 (昭和九年)....